モルドバの親ロ派地域、ロシアからのガス供給停止で暖房なしのアパートも


沿ドニエストルはウクライナの隣国モルドバの東部に位置し、ロシア系の分離独立派が支配している。ロシアのガスはこれまでウクライナ経由で供給されていた。ウクライナがロシアから欧州向けのガスを通過させる契約の延長を拒否し、このルートのパイプライン輸送が1日に停止したため、沿ドニエストルが巻き込まれて危機に陥った形だ。

当局の責任者が3日、SNS「テレグラム」に投稿したメッセージによると、2階建て以上のアパート1500棟で暖房と給湯が止まり、7万2000世帯へのガス供給が停止している。

同責任者はストーブのある農村部の住民らに向け、薪を集めて暖を取るよう呼び掛けた。また、システムを守るために計画停電は避けられないと述べた。

欧州を通過する寒波の影響で、中心都市ティラスポリの気温は週末にかけ、零度すれすれで推移する見通し。

沿ドニエストルの議会は先月ロシアに対し、ウクライナとの契約が切れる前に新たな契約を成立させるよう要請していた。

契約の失効により、ウクライナはロシアから受け取っていた年間約8億ドル(約1250億円)の通過料収入を失い、ロシアの国営ガス会社ガスプロムは50億ドル近い売り上げを失うことになるという。

親ロシア姿勢で知られるスロバキアのフィツォ首相は、契約失効をゼレンスキー・ウクライナ大統領による「破壊行為」と非難し、同国への電力供給停止や難民支援の縮小を示唆している。



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