ガンダムZZ時代:アムロとシャアの知られざる軌跡

「機動戦士ガンダムZZ」のオープニングにはアムロ・レイとシャア・アズナブルが登場するものの、本編には姿を見せない。この空白の期間、二人は何をしていたのか?多くのガンダムファンにとって、謎めいたこの期間に迫る。

地球上で活躍したアムロ・レイ

「機動戦士Zガンダム」では反地球連邦組織「カラバ」に所属していたアムロ。カラバでの活動は、地球上での戦いに留まらず、テストパイロットとしての任務も含まれていた。「Zガンダム」を大気圏内での長距離飛行用に再設計した「ZプラスA1型試作機」に搭乗した記録が「ガンダム・センチネル」に残されている。

ZプラスA1型試作機のイラストZプラスA1型試作機のイラスト

さらに、プラネタリウム用映像作品「ガンダム新体験‐0087‐グリーンダイバーズ」では、「Zガンダム3号機」に搭乗するカラバのパイロットが登場する。公式にはアムロとは明言されていないものの、アムロ役の古谷徹氏が声を担当していることから、ファンの間ではアムロではないかという憶測が広まっている。

「機動戦士ガンダムZZ」におけるアムロの動向については、第35話でブライト・ノアとハヤト・コバヤシが「アムロは宇宙に上がったのか」と会話するシーンがあるのみ。 これは前作で地球に留まっていたアムロにとって大きな転換点と言えるだろう。

ロンド・ベル結成への貢献?

アムロは優れたパイロットであると同時に、カリスマ性と政治力も持ち合わせていた。「もしアムロがいてくれたら、連邦政府を抑えることができたかもしれません」というハヤトの言葉からも、その影響力の大きさが伺える。アムロは「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」で活躍する独立機動艦隊「ロンド・ベル」の結成に尽力していた可能性が高い。 「ZZ」最終決戦でブライトが連邦軍を動かした時には既に遅かったことを考えると、ロンド・ベル結成におけるアムロの貢献は不可欠だったと言えるだろう。

シャア・アズナブルの暗躍

一方、シャア・アズナブルについては、「ネオ・ジオン」のミネバ・ラオ・ザビを拉致した事実以外、ほとんど語られていない。この行動は後の「機動戦士ガンダムUC」や外伝マンガ「機動戦士VS伝説巨神 逆襲のギガンティス」につながる重要な出来事である。

行動の真意とは

「逆襲のシャア」ではミネバが登場しないため、シャアの行動の真意は謎に包まれている。アムロやロンド・ベルもシャアの足取りをつかめなかったことから、彼の隠密行動の巧妙さが窺える。

マンガ「機動戦士ムーンガンダム」では、主人公のユッタがミネバをネオ・ジオン過激派から奪還し南極に降り立った際、シャアに包囲される場面が描かれている。シャアはユッタを揺さぶり、自分の手駒にしようとするなど、後のクェス・パラヤへの行動を彷彿とさせる。これらのことから、シャアは「ZZ」時代、ネオ・ジオン再興の準備を進めながら、狡猾さを磨き、総帥となるための修行を積んでいたと考えられる。

著名なガンダム研究家、加藤博士(仮名)は「シャアの行動は常に複数の目的を持ち、長期的な視野に基づいています。ミネバ拉致も、単なる権力掌握ではなく、より大きな計画の一部だったのでしょう」と分析している。

まとめ

「機動戦士ガンダムZZ」時代、アムロはロンド・ベル結成に向けて動き、シャアはネオ・ジオン再興のために暗躍していた。二人の知られざる行動は、後の作品に大きな影響を与えている。 この空白の期間に思いを馳せ、ガンダムの世界をより深く楽しんでみてはいかがだろうか。