『酒のツマミになる話』年内打ち切り報道の衝撃:フジテレビが抱える深層と業界への影響

人気番組『酒のツマミになる話』(フジテレビ系)が年内での打ち切りを急遽報じられ、世間に大きな衝撃が走っています。松本人志氏の活動自粛に伴いMCを引き継いだ千鳥・大悟氏が、ハロウィーン特番で披露した松本人志氏のコスプレがフジテレビ幹部によって問題視されたことが発端とされ、大悟氏の降板、そして番組終了へと事態は急展開しました。この一連の動きは、単なる番組の打ち切りに留まらず、フジテレビの内部体制、タレントとの関係、そしてコンプライアンスに対するメディア企業の姿勢に深い疑問を投げかけています。

人気番組『酒のツマミになる話』の歴史と突然の幕引き

『酒のツマミになる話』は2021年に『人志松本の酒のツマミになる話』としてスタートしました。「お酒の席でつい話したくなるような話題」をテーマに、実際にアルコールが提供される中で、芸能人たちの素顔や本音が見える“飲みトーク番組”として多くの視聴者から支持を集めていました。しかし、『週刊文春』の報道を受け松本人志氏が活動を自粛してからは、2024年1月より松本氏と同じ事務所の後輩である千鳥・大悟氏がMCを引き継ぎ、番組の人気を維持していました。

大悟の松本人志コスプレが引き金に:幹部の「鶴の一声」と番組差し替え

番組の“異変”が報じられたのは、『週刊女性』によるものでした。報道によると、10月24日に放送予定されていたハロウィーンスペシャルで、大悟氏が松本人志氏の象徴ともいえる白色Tシャツに金髪姿というコスプレで収録に臨みました。ところが、放送直前になってフジテレビ幹部がこれを“問題視”。異例ともいえる当日での放送差し替えが決定されました。この対応に対し、大悟氏はフジテレビ側への不信感を募らせ、降板を申し出た結果、収録済みストック分を合わせて年内いっぱいで番組を終了する運びとなったとされています。

松本人志のコスプレ姿で収録に臨む千鳥・大悟氏。人気番組『酒のツマミになる話』の舞台裏で起きた異変を象徴する一枚。松本人志のコスプレ姿で収録に臨む千鳥・大悟氏。人気番組『酒のツマミになる話』の舞台裏で起きた異変を象徴する一枚。

フジテレビへの批判噴出とコンプライアンス意識の欠如

この急展開を受け、SNS上ではフジテレビに対する批判的な声が噴出しています。「局の印象が悪い」「大好きな番組がまた一つ終わってしまう」「フジテレビの体制は変わっていない」といった視聴者の不満が次々に投稿されました。特に疑問視されているのは、2024年にも大悟氏が松本氏のコスプレを披露しており、それがフジテレビの公式SNSでも宣伝されていた事実があるにもかかわらず、今回突然NGとなった点です。中居正広氏とフジテレビの問題が重なり、局としてコンプライアンスを重視した結果と見られていますが、放送直前での差し替えはタレントサイドへの配慮を欠くものであり、現場の制作努力を軽んじる判断と映り、大悟氏が不信感を抱いたという報道も不自然ではありません。

信頼失墜とイメージ回復の困難:芸能ジャーナリストの視点

中居正広氏を巡るトラブルで、一時は多くのスポンサーが離れたフジテレビにとって、イメージ回復は依然として困難を極めています。ある芸能ジャーナリストは、中居氏と元フジテレビ女性アナウンサーのトラブルにおいて、問題の実質的な隠蔽と被害女性への不適切な対応が問題視されたことに言及し、今回の『酒のツマミになる話』の終了劇も同様に「臭いものに蓋をするような対応」に見えると指摘しています。一連の問題は、社内の風通しの悪さや、上層部が責任感を持って社員やタレントと向き合う姿勢が問われていることを示唆しています。

『酒のツマミになる話』の突然の打ち切りは、単なる人気番組の終了という枠を超え、フジテレビという巨大メディア企業が抱える根深い問題、特にコンプライアンス意識、タレントとの信頼関係構築、そして内部統制のあり方を改めて浮き彫りにしました。視聴者にとっては「酒のツマミにもならない」お粗末な結末は、メディアとしての信頼回復への道のりがさらに険しいことを強く示唆しています。


参考文献

  • Yahoo!ニュース. (2025年10月30日).