韓国は記録的な豪雪に見舞われていますが、この雪が水不足解消に繋がるかというと、現実は厳しいようです。この記事では、豪雪の現状と水不足問題の深刻化、そして今後の見通しについて詳しく解説します。
豪雪の原因と現状:平年を上回る海水温の影響
韓国では、昨年夏の猛暑の影響で、この冬、断続的な豪雪が発生しています。気象庁によると、全羅道西海岸や済州島を中心に降雪があり、その範囲は京畿道南西部にまで広がっています。9日頃まで続く見込みで、忠清道では最大10cm、全羅道では最大20cm、局地的には40cmの積雪が予想されています。
alt=雪に覆われた駐車場
今回の豪雪の大きな原因は、黄海の海水温が平年よりも高いことです。海水と大気の温度差が大きくなり、雪雲が発達しやすくなっているのです。国立海洋調査院のデータによれば、日本海と黄海の海水温は現在、平年を上回っています。専門家のパク・ヨンジュン氏も、「海水温の上昇は、大気中の水蒸気量を増やし、降雪量に影響を与えている可能性が高い」と指摘しています。
積雪と降水量:期待される効果と厳しい現実
一見、大量の積雪は水不足解消に役立ちそうですが、積雪量と降水量は必ずしも比例しません。例えば、先週末に京畿道東部で最大8cm、江原道で最大10cmの積雪が観測されましたが、降水量に換算するとわずか5~10mmでした。積雪は気温や湿度などの条件によって大きく変化するため、積もった雪がそのまま水資源になるとは限らないのです。
貯水率の低迷:深刻化する水不足問題
韓国水資源公社(K-water)によると、全国の多目的ダムのうち、今年の貯水率が昨年を上回っているのはわずか5箇所のみ。冬季の降水量も平年を下回っており、昨年12月の全国平均降水量は6.5mmと過去4番目に少ない記録でした。これは2023年の12月の降水量(102.9mm)と比較すると、15分の1程度にしか過ぎません。
気象的干ばつの拡大:首都圏や全羅道への影響
気象庁は、乾燥した天候が当分続くと予測しており、「気象的干ばつ」地域が首都圏や全羅道にまで拡大していると発表しました。このまま乾燥状態が続けば、農業や生活用水への影響は避けられません。水不足対策が喫緊の課題となっています。
今後の見通しと対策:水資源管理の重要性
専門家は、気候変動の影響で、今後もこのような異常気象が増加する可能性を指摘しています。豪雪が水不足解消に繋がらない現状を踏まえ、より効果的な水資源管理の必要性が高まっています。節水対策の強化はもちろん、長期的な視点での水資源確保の取り組みが求められています。