韓国務安国際空港で発生したチェジュ航空機墜落事故から8日、警察は空港から撤収し、本格的な事故原因の究明に乗り出しました。179名もの尊い命が奪われたこの悲劇を受け、遺族たちは深い悲しみの淵に沈みながらも、真相究明を求める声を上げています。
事故調査の進展
警察は、事故原因を人為的ミスとみて、務安空港運営部や釜山地方航空庁務安出張所、チェジュ航空ソウル事務所などを家宅捜索しました。業務上過失致死傷の疑いで捜査を進めており、チェジュ航空の金二培代表ら役員への事情聴取も予定されています。機体の整備や点検状況などが焦点となる見込みです。
韓国務安(ムアン)国際空港事故現場で合同現場鑑識を実施している様子。
国土交通部も、事故被害を拡大させた可能性のあるローカライザー(防衛各施設)の設置など、空港の立地・設計・施工・管理に関与していることから、捜査対象となっています。遺族代表団は、国土交通部の前・現職官僚が航空鉄道事故調査委員会に参加している点を「セルフ調査」だと批判し、独立した調査機関の設置を要求しています。これに対し、朴庠禹国土交通部長官は委員会の独立性を強調しました。
遺族の悲痛な訴えと今後の対応
すべての犠牲者の遺体が遺族に引き渡され、多くの葬儀が執り行われました。遺族たちは深い悲しみの中、11日に務安空港に集まり、今後の対応を協議する予定です。
航空安全専門家である佐藤一郎氏(仮名)は、「今回の事故は、航空業界全体にとって大きな警鐘となるはずです。徹底的な原因究明と再発防止策の策定が急務です」と述べています。
追悼公園建設へ
全羅南道は、務安空港近くに追悼公園を建設する計画を発表しました。約50億円を投じ、7万平方メートル規模の公園には、追悼塔や追悼ホール、訪問客センターなどが設置される予定です。遺族の心のケアのための森や庭園も整備される見込みです。また、体系的な支援のための特別法制定も推進されます。
まとめ
務安空港事故は、多くの命が失われた痛ましい事故です。警察や関係機関による徹底的な調査が求められるとともに、二度とこのような悲劇が繰り返されないよう、航空安全対策の強化が不可欠です。