2025年12月21日夜、神奈川・KT Zepp Yokohamaは、すすり泣くような雨にもかかわらず、熱気と感動に包まれました。異色のアイドルユニット「清 竜人25」が、現体制でのラストライブ<KIYOSHI RYUJIN25 GOOD BYE LIVE>を開催し、約1年半にわたる活動に幕を下ろしたのです。 「一夫多妻制アイドル」という前代未聞のコンセプトで登場し、賛否両論を巻き起こしながらも、多くのファンを魅了してきた彼らの終焉は、日本のアイドルシーンにおいて特別な意味を持つでしょう。
横浜でのラストライブで活動を終了したアイドルユニット「清竜人25」
「一夫多妻制アイドル」清 竜人25とは
清 竜人25は、シンガーソングライターの清 竜人を「夫」とし、複数の女性メンバーを「妻」と設定する、独特の「一夫多妻制」を掲げたアイドルユニットです。 夫・清 竜人を中心に、清さきな、清凪、清真尋、清ゆなの4人の「妻たち」で構成される現体制は、2024年7月に再結成という形で復活しました。 グループ名は、2014年の結成時に清 竜人が25歳だったことに由来しています。
コンプライアンスが重視される現代において、この挑戦的なコンセプトは当初から大きな注目を集めました。しかし、ファンは清 竜人の持つ大胆かつ繊細な才能、そして「愛し愛される全肯定ハーレム」をテーマにした楽曲やパフォーマンスが生み出す多幸感を理解し、共有していました。 これは、このグループとそのファンコミュニティが持つ、稀有なメタ視線であると言えるでしょう。
ラストライブ「GOOD BYE LIVE」の軌跡
ラストライブは、清 竜人本人が音楽家としての活動一時休止を宣言したことに伴い決定されました。 異例のコンセプトを持つグループにふさわしく、その終焉もまた、彼ららしい「上手な解散の仕方」としてファンに受け止められました。
ライブのオープニングを飾ったのは、清 竜人25のコンセプトを象徴する最初のオリジナル曲「Will you marry me ?」でした。 妻たちは、デビューライブで着用した純白の衣装で登場し、竜人とともに左手薬指に輝く結婚指輪をアピール。これは、再結成から約1年半の間に紡がれた物語の集大成を思わせる演出でした。
ステージでは、「青春しちゃっていいじゃん」や、第1期の楽曲「プリ~ズ…マイ…ダ~リン♡」といったヒット曲から、最後にリリースされた「GOOD BYE!愛してるよ!」まで、これまでの活動を彩った楽曲が次々と披露されました。 会場に集まったファンは、すすり泣きながらも、清 竜人25との「推し活」の終わりを噛み締め、メンバーへの感謝の気持ちを抱いていたようです。
「幸せな2度目のストーリー」の終結
清 竜人25の活動終了は、多くのファンにとって寂しさよりも、「清 竜人25を好きになってよかった」という感謝と充実感に満ちたものでした。 このグループが提示した「一夫多妻制」という型破りなコンセプトは、単なるキワモノではなく、才能あるミュージシャンが生み出す「祭り」であり、愛と多幸感を共有する場でした。
彼らは、音楽とアートを通じて、現代社会における多様な関係性の可能性を示唆し、アイドルという枠を超えた表現を追求しました。清 竜人25の「幸せな2度目のストーリー」はここに完結しましたが、その先進的な試みと、ファンとの間に築き上げた特別な絆は、日本のエンターテインメント史に深く刻まれることでしょう。





