銀行への信頼を揺るがす事件が発生。三菱UFJ銀行の女性行員が顧客の貸金庫から現金や貴金属を盗み続けていたことが発覚しました。被害総額は十数億円に上るとみられ、その背景にはFX投資の失敗があったとされています。本記事では、事件の詳細と容疑者の素顔に迫ります。
4年半に及ぶ犯行、被害総額は十数億円
2024年10月末、三菱UFJ銀行の複数の貸金庫から現金や貴金属が盗難されていることが発覚しました。警視庁は捜査を進め、2025年1月14日、元行員の今村由香理容疑者(46)を窃盗容疑で逮捕しました。今村容疑者は約4年半にわたり、顧客約60人分の貸金庫から総額十数億円に上る現金を盗み続けていたとされています。
三菱UFJ銀行の支店
FX投資の失敗が犯行の動機か?
捜査関係者によると、今村容疑者はFX取引で多額の損失を出しており、その穴埋めをするために犯行に及んだとみられています。また、盗んだ現金をさらにFX投資に回し、損失を拡大させていた可能性もあるとのことです。今村容疑者は“窃盗メモ”を作成し、綿密な計画を立てて犯行を繰り返していたとみられています。
容疑者の素顔とは?
今村容疑者は埼玉県出身で、都内の私立短大を卒業後、1999年に三菱UFJ銀行に入行。主に支店の窓口業務を担当していました。長年の勤務実績が評価され、営業課長などを務める傍ら、貸金庫業務も任されていました。
今村由香理容疑者
夫と義父との3人暮らしで、義父は元みずほ銀行員で現在は不動産管理会社を経営しているとのこと。近隣住民からは「真面目で大人しい人だった」という声も聞かれています。義父は取材に対し、「これまでそんなそぶりは全く感じられなかった」と驚きを隠せない様子でした。
専門家の見解
金融犯罪に詳しい専門家A氏(仮名)は、「今回の事件は銀行の信用を大きく損なうものであり、再発防止策の徹底が求められる」と指摘しています。また、「FX取引などの投資はリスクを伴うものであり、安易な投資は避けるべきだ」と警鐘を鳴らしています。
今後の捜査の行方
警視庁は今村容疑者をさらに詳しく調べ、犯行の全容解明を進めていく方針です。また、銀行側も内部調査を進め、再発防止策を検討していくとしています。この事件は、金融機関におけるセキュリティ管理の重要性を改めて浮き彫りにするものであり、今後の動向が注目されます。