日本テレビ系の長寿番組『ヒルナンデス!』を巡り、来春2026年3月いっぱいでの打ち切り説が一部で報じられたものの、日テレ側はこれを即座に否定した。この報道は「季節の風物詩」とも言えるものでありながら、日本の平日昼帯番組が直面する厳しい視聴率競争と、それぞれの番組が抱える課題を改めて浮き彫りにしている。
「ヒルナンデス!」打ち切り報道の背景と番組の歴史
『ヒルナンデス!』は2011年3月にスタートし、ウッチャンナンチャンの南原清隆をメインMCに据え、日替わりの曜日レギュラーが出演する形式で、日本テレビ版『笑っていいとも!』を目指した情報バラエティ番組だ。内容はグルメやファッション、エンタメなどを幅広く取り上げている。しかし、年間3億円とも報じられる南原の高額ギャラの割に視聴率が伸び悩んでいるとされ、番組改編期になると毎度のように打ち切り説が取り沙汰される状況が続いている。
『ぽかぽか』MCのハライチ岩井勇気と澤部佑
激化する昼帯番組の視聴率競争と各番組の「棲み分け」
現在の平日昼帯番組において、視聴率でトップを走るのはテレビ朝日系の『大下容子ワイド!スクランブル』である。次に続くTBS系の『ひるおび』と『ヒルナンデス!』が視聴率競争を繰り広げているが、『ひるおび』がやや有利な状況にある。一方、フジテレビ系の『ぽかぽか』は低迷している状態だ。放送作家は、時事ニュースを求める視聴者は『ワイド!スクランブル』や『ひるおび』を、バラエティ色を好む視聴者は『ヒルナンデス!』や『ぽかぽか』を選ぶという「棲み分け」ができていると分析する。
個性派揃いの「ひるおび」とマンネリ化の「ヒルナンデス!」、挑戦する「ぽかぽか」
安定の『ワイド!スクランブル』以外の番組は、度々打ち切り説がささやかれる。特に『ひるおび』は、MCの恵俊彰の進行ぶりはもちろん、弁護士の八代英輝や落語家の立川志らくなど、「クセの強い」出演陣が揃っているため、視聴者の好みが分かれる番組だとの声も少なくない。
『ヒルナンデス!』は、無難な要素が揃っているものの、刺激がなくマンネリ状態が続いているとの指摘がある。また、『ぽかぽか』は新しいことをやろうとする姿勢は評価できる一方で、フジテレビ特有の「身内ノリ」や「悪ふざけ」が目立つ印象を与えるという。
各局の昼番組、特に打ち切り説が頻繁に飛び出す『ヒルナンデス!』と『ひるおび』に求められているのは、現状のマンネリからの脱却と、視聴者を飽きさせない新鮮な魅力の創出なのかもしれない。





