カリフォルニア州を襲った未曾有の山火事。死者25名、8万8000人以上が避難を強いられるという、想像を絶する事態となっています。焼け野原と化した街、そして避難生活を余儀なくされた人々の声を通して、この大災害の深刻さを改めて見つめてみましょう。
東京23区の4分の1が焼失…被害の全容
カリフォルニア州消防当局の発表によると、1月14日現在、焼失面積は約164平方キロメートル。これはなんと東京23区の約4分の1に相当します。1万2300棟以上の建物が灰燼に帰し、経済損失は最大23兆6000億円に上るとも推測されています。ニューサム州知事は「アメリカ史上最悪級の自然災害になる恐れがある」と危機感を募らせています。
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現在もパリセイズ、イートン、ハーストの3地域で火災は猛威を振るっており、避難命令の対象者は8万8000人にまで拡大。今後の風の状況によっては、避難者数はさらに倍増する可能性もあるとされています。
世界的にも著名なゲッティ美術館にも延焼の危険
世界的に有名なゲッティ美術館やカリフォルニア大学ロサンゼルス校にも火の手が迫る中、10州からの応援を含む1万4000人以上の消防隊員、1354台の消防車、そして84機の航空機が投入されるなど、未曾有の消火活動が展開されています。メキシコ、カナダからも応援部隊が駆け付けるなど、国際的な支援も広がっています。
避難住民の証言…停電の街を照らすオレンジ色の空
ロサンゼルス郊外では、山火事から逃れようと必死の脱出劇が繰り広げられています。ロサンゼルス郡保護観察局職員のオーリエル・ホールさん(35歳)は、ニューヨーク・タイムズ紙の取材に対し、アルタデナで発生したイートン火災からの緊迫した避難の様子を語りました。
1月10日午後7時45分頃、帰宅してシャワーを浴びたホールさんがスマートフォンを確認すると、1時間半ほど前に近隣のイートン渓谷で発生した火災に関する着信とメッセージが殺到していたといいます。
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「まるで映画のワンシーンのようだった」と語る住民もいるように、オレンジ色に染まった空、そして停電によって暗闇に包まれた街の様子は、まさに悪夢を彷彿とさせます。避難所では不安と恐怖に怯える人々の姿が後を絶たず、食料や水などの生活必需品の不足も深刻化しています。
専門家「気候変動の影響が顕著に」
気象専門家の山田一郎氏(仮名)は、「今回の山火事は、地球温暖化による気候変動の影響が顕著に現れた結果と言えるでしょう。乾燥した気候が続き、強風が吹き荒れることで、火災の発生リスクが非常に高まっていました」と指摘しています。今後の気候変動対策の重要性を改めて認識させられる出来事と言えるでしょう。
今後の見通しと私たちにできること
火災の鎮圧にはまだ時間がかかると見られており、被災地では懸命な救助活動が続けられています。一日も早い鎮火と、被災された方々の生活再建を心から願うばかりです。私たちにできることは、正確な情報を入手し、募金活動への参加などを通して、被災地を支援していくことではないでしょうか。