プラウドボーイズ、米司法省を提訴:議事堂襲撃関連で「政治的迫害」を主張

米国の極右団体「プラウドボーイズ」の元メンバーらが、2021年1月6日の米連邦議会襲撃事件に関連する有罪判決について「政治的迫害」を理由に米司法省提訴しました。かつてトランプ大統領により恩赦・減刑された彼らは、今回の訴追がプラウドボーイズおよびトランプ支持者を抑圧する目的で行われた「司法制度の乱用」だと主張しています。

2020年、米大統領選の結果に抗議するためワシントンで行われたプラウドボーイズの抗議活動の様子。2020年、米大統領選の結果に抗議するためワシントンで行われたプラウドボーイズの抗議活動の様子。

提訴したメンバーと訴訟内容

提訴を行ったのは合計5名の元メンバーで、その中にはプラウドボーイズのかつての指導者複数名が含まれます。彼らは、自身が議事堂襲撃事件で訴追されたこと自体が、トランプ大統領の政治的支持者を処罰・抑圧することを目的とした「甚大で組織的な司法制度並びに合衆国憲法の乱用」に当たると主張しています。5人のうち4人は扇動共謀罪で有罪となり、長期の禁錮刑が言い渡されています。彼らは米司法省に対し、刑事訴追による賠償として1億ドル(約145億円)の支払いを求め、この件に関する陪審裁判も要求しています。

議事堂襲撃事件を巡る政治的背景と主張

これまで、共和党議員やトランプ大統領の支持者からは、議事堂襲撃事件に関連する数百件の訴訟は、多くがバイデン前政権下の米司法省による政治的迫害であり、トランプ大統領支持者を標的としたものだとの主張が繰り返し行われてきました。今回の提訴は、米司法省に訴追を擁護するか、あるいはプラウドボーイズとの和解を迫る可能性があります。訴状は、米司法省の検察側が、実際には彼らが議事堂襲撃を組織・調整していなかったことを知りながら5人を標的にしたと糾弾。検察が「全く新しい法理論」を作り上げ、陪審員を不正に選定し、被告の弁護士との連絡を妨害したとも主張しています。米司法省はこの件についてコメントを求められています。

提訴は、2021年1月6日の議事堂襲撃事件を巡る法廷闘争に新たな展開をもたらすものです。プラウドボーイズ側が政治的迫害を主張する一方、米司法省の今後の対応が注目されます。

出典: CNN (Yahoo News Japan掲載)