愛知県瀬戸市にある六代目山口組本部で、年末恒例の餅つき大会が開催されました。厳戒態勢の中、司忍組長(82)自ら杵を振るい、組員たちと新年の準備を進めました。
司組長、餅つきで組の結束強化
12月末の冷え込む朝、瀬戸一家の本部周辺は異様な雰囲気に包まれていました。高い塀とブルーシートで外部からの視線を遮断し、紅白幕が祝いの場を演出する一方で、多数の警察官が警備にあたり、緊張感が漂っていました。全国から集まった約100人の直参組員、そして報道陣が見守る中、餅つき大会は粛々と進行しました。
餅つき大会の様子
午前10時半頃、高山清司若頭(77)をはじめとする幹部が出迎え、護送車に先導された黒塗りの高級車から司組長が登場。セーターにジャケット、サングラス姿の組長は、幹部たちのお迎えを受け会場入りしました。その後、本部内からは「ヨイショ! ヨイショ!」という威勢の良い掛け声と共に、「クミチョ! クミチョ!」という声が響き渡り、組長自ら餅つきに参加している様子が伺えました。
約2時間後、餅つきを終えた司組長は、土産や餅を積み込んだ護送車で帰路につきました。「サングラスで表情は読み取りづらいものの、帰る際には笑みを浮かべていた」と現場のジャーナリストは語ります。2025年は司組長就任20年の節目。餅つき大会を通じて、組員との絆を改めて深めた様子が伺えました。
組長就任20年、分裂抗争の行方は
2025年は司組長にとって節目の年であると同時に、山口組分裂抗争10年という節目の年でもあります。神戸山口組との抗争は長期化しており、今後の動向が注目されます。
警察庁の発表によると、2023年末時点での六代目山口組の構成員は約3500人、神戸山口組は約140人と、勢力の差は25倍にまで拡大しています。しかし、神戸山口組の井上邦雄組長(76)は依然として徹底抗戦の構えを見せており、抗争終結の道筋は見えていません。
司忍組長
組織改革と次世代への布石
一方、六代目山口組は次世代を見据えた組織改革にも力を入れています。高山若頭の秘書役を若頭補佐に抜擢した人事や、二次団体への総裁制導入など、組織の新陳代謝を促進する動きが活発化しています。これは抗争終結後の組織運営を見据えた布石とも考えられ、司組長の抗争終結への強い意志が垣間見えます。「組織の若返りを図り、将来を見据えた動きと言えるでしょう」と暴力団事情に詳しいジャーナリストのA氏は指摘します。
2025年、歴史の転換点となるか
司組長就任20年、そして分裂抗争10年という節目の2025年。組織改革を進める六代目山口組と、徹底抗戦を続ける神戸山口組。今後の動向次第では、日本の裏社会の歴史が大きく変わる可能性も秘めています。