アメリカ合衆国第47代大統領として2期目をスタートさせたドナルド・トランプ氏。2024年の大統領選挙での勝利を「歴史的勝利」と位置づけ、この民意を背景に力強い政権運営を進めていく構えです。しかし、就任直前の世論調査では支持率が伸び悩んでおり、盤石な支持基盤の構築は今後の大きな課題となっています。
2024年大統領選の結果と支持率の現状
就任演説でトランプ氏は、2024年の大統領選が「米史上最大かつ最も重要な選挙」であったと強調し、改めて強い民意の支持を訴えました。接戦州での勝利や総得票数での民主党候補への優位性など、選挙結果の数字は確かに彼の主張を裏付けています。FOXニュースの世論調査でも、トランプ氏の支持率は過半数を超える52%を記録しています。
トランプ氏就任式の様子
しかし、その支持の根拠を詳しく見てみると、必ずしも楽観視できる状況ではないことが見えてきます。FOXニュースの調査では、トランプ氏への支持理由として「トランプ氏への支持」を挙げた人は41%にとどまり、一方、54%は対立候補であったバイデン氏やハリス氏への「拒否」を理由として挙げています。つまり、トランプ氏への積極的な支持というよりは、対立候補への反発が彼の勝利に大きく貢献した可能性が示唆されています。
支持率低迷の背景と今後の課題
ギャラップ社の調査では、トランプ氏の就任直前の支持率は49%と、過去の歴代大統領と比較しても低い水準にとどまっています。例えば、2021年に就任したバイデン氏は68%、2001年に就任したブッシュ氏は61%と、いずれもトランプ氏を大きく上回っています。
政治評論家の山田一郎氏(仮名)は、「トランプ氏の支持率低迷の背景には、彼の過激な言動や政策に対する根強い批判がある。2期目においては、これらの批判を払拭し、幅広い層からの支持を獲得するための努力が不可欠となるだろう」と指摘しています。
就任初日から国境問題やエネルギー政策など、矢継ぎ早に目玉政策を打ち出しているトランプ氏。これは、選挙戦の勢いを維持し、支持率向上につなげる狙いがあると見られています。
中間選挙と2期目の展望
トランプ氏にとって、2026年の中間選挙は政権運営の「審判」となる重要な節目です。現在、上下両院で多数派を占める共和党ですが、中間選挙で議席を失えば、党内からの批判が高まり、求心力低下につながる可能性があります。
メラニア夫人とトランプ氏
憲法の規定により3選が不可能なトランプ氏にとって、中間選挙の結果は、後継者選びにも大きな影響を与えることになるでしょう。2期目のトランプ政権は、支持基盤の盤石化、中間選挙での勝利、そして後継者への円滑な権力移行という、多くの困難な課題に直面することになりそうです。