トランプ前大統領の性別二元論政策、日本への影響は？

トランプ前大統領が就任演説で宣言した「性別は男性と女性の二つだけ」という政策。アメリカ国内だけでなく、日本にも波紋を広げています。この政策は一体どのようなもので、日本社会にどのような影響を与える可能性があるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

トランプ前大統領の政策概要

トランプ前大統領は、就任演説で性別二元論を政府の公式方針とすることを宣言。多様性を重視する政策からの転換を明確にしました。具体的には、政府機関での「ジェンダー」用語の使用禁止、パスポートの性別表記を男性または女性のみとする、といった大統領令に署名しました。それまで、米国のパスポートには性別を「X」と記載することも可能でした。

トランプ前大統領の就任式の様子

日本への影響：懸念される点

この政策は、トランスジェンダーの権利に直接的な影響を与えると懸念されています。日本のトランスジェンダー当事者からも、国内への悪影響を心配する声が上がっています。

トランスジェンダーに関する情報サイトを運営する遠藤まめたさんは、「大統領の姿勢がネガティブなロールモデルとなり、トランスジェンダー排除のハードルを下げる危険性がある」と指摘。近年、海外のトランスジェンダーに関する情報がSNSで不正確に拡散され、当事者への誹謗中傷が発生している現状を踏まえ、トランプ前大統領による誤情報の拡散や当事者への攻撃の口実となる可能性、さらには当事者の権利制限につながる議論の火種となることを懸念しています。

LGBTQなど性的少数者の全国組織「LGBT法連合会」の神谷悠一事務局長も、フェイクニュースの拡大による議論の阻害を懸念しています。

トランプ前大統領、就任の宣誓

日本への影響：冷静な視点も必要

一方で、神谷事務局長は「日本で直ちに何かが変わるわけではない」とも指摘。米企業におけるDEI（多様性・公平性・包括性）施策の見直しへの注目が集まる一方で、米国ではDEI施策を推進する企業が増加しているという調査結果もあることから、日本でも企業の取り組みは進んでおり、冷静な視点も必要だと述べています。