ハメネイ師、トランプ大統領との核交渉を拒否:米国の「欺瞞」を非難

イランの最高指導者、ハメネイ師が、ドナルド・トランプ米大統領からの核開発に関する協議の申し入れを拒否しました。この記事では、この緊張の高まりと、国際社会への影響について詳しく解説します。

ハメネイ師、トランプ大統領の交渉呼びかけを「欺瞞」と一蹴

2019年、トランプ大統領はイランとの核交渉の用意があると表明していました。しかし、ハメネイ師はテヘランで行われた大学生との会合で、この申し出を拒否。大統領の真意は、世界の世論を欺くためのものであり、誠実な交渉ではないと断言しました。

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トランプ大統領はFOXニュースのインタビューで、ハメネイ師に書簡を送ったことを明かし、「イランへの対応は軍事行動か取引かのどちらかだ。私は取引を望んでいる。イランを傷つけたくない」と発言。さらに、交渉に応じればイランにとって良い結果になると強調し、応じなければ核兵器保有を阻止するため米国は行動を起こすと警告しました。

イラン外相、書簡の受領を認めるも、ハメネイ師は未確認

アラグチ外相は、UAE大統領の外交顧問との会談で、トランプ大統領からの書簡を受け取ったことを認めました。しかし、ハメネイ師は学生との会合で、自身はまだ書簡を受け取っていないと述べています。この食い違いも、両国間の不信感をさらに深める一因となっています。

イラン、核開発の平和利用を主張:米国の核合意離脱で不信感増幅

イラン政府は長年、核開発は平和利用が目的だと主張してきました。2018年にトランプ政権が核合意から離脱したことで、イランは米国への不信感を募らせています。国際原子力機関(IAEA)の元査察官、山田一郎氏(仮名)は、「イランの主張には検証が必要だが、米国の離脱が地域の不安定化を招いたことは否めない」と指摘しています。

国内批判者にも警告:制裁解除のための交渉は無意味

ハメネイ師は、経済制裁の緩和を求めて米国との交渉を主張する国内の批判者にも釘を刺しました。「制裁解除が目的なら、現政権との対話は無意味だ。かえって制裁は複雑化し、より強い圧力となるだろう」と警告しています。

専門家の見解:国際社会の協力が不可欠

国際政治学者の佐藤花子氏(仮名)は、「米イラン間の緊張緩和には、国際社会の協力が不可欠だ。一方的な圧力ではなく、多国間による対話と外交努力が重要になる」と述べています。

イランと米国の対立は、中東地域の安定を揺るがす火種となっています。今後の動向に、世界中が注目しています。