【日向灘地震】震度5弱、津波注意報発令!過去の地震との関連性、今後の見通しは?

2025年1月13日午後9時19分頃、日向灘を震源とする地震が発生し、最大震度5弱を観測しました。津波注意報も発令され、不安が広がっています。今回は、この地震発生時の情報の錯綜、過去の地震との関連性、そして今後の見通しについて、京都大学防災研究所 宮崎観測所の山下裕亮助教(仮名)の知見を交えながら解説します。

地震発生時の情報錯綜とその理由

地震発生直後、マグニチュードや津波の有無に関する情報が二転三転しました。当初マグニチュード6.4と発表された数値は、後に6.9、最終的に6.6に修正。津波に関しても、「心配なし」から「注意報発令」へと変更されました。一体なぜこのような事態が発生したのでしょうか?

山下助教は、今回の地震が複雑なメカニズムで発生したことが原因だと指摘します。気象庁は迅速な情報提供を最優先とするため、初期の速報値は精度が低い場合があります。今回のケースでは、最初のマグニチュードが過小評価された結果、「津波の心配なし」という誤った情報が発信されてしまったと考えられます。その後の精査でマグニチュードが修正され、津波注意報が発令されるに至ったのです。このような情報の変化は稀とはいえ、起こりうることです。速報値はあくまで速報であり、後に修正される可能性があることを常に念頭に置いておく必要があります。

2025年1月13日に発生した日向灘地震における津波情報2025年1月13日に発生した日向灘地震における津波情報

過去の地震との関連性:1996年の地震、そして5ヶ月前の地震

日向灘では、1996年10月と12月に2度の大きな地震が発生しています。これらの地震のマグニチュードは合計で7程度に達しました。今回の地震は、この1996年12月の地震の「割れ残り」とされていた領域のど真ん中で発生したと山下助教は分析しています。

さらに、今回の地震発生地点のすぐ南東では、わずか5ヶ月前の2024年8月8日にも地震が発生しています。これらの地震の発生時期と場所の近接性から、関連性が疑われます。

今後の見通し:安心できるのか?

山下助教によると、今回の地震によって1996年の地震の「割れ残り」部分の歪みが解消された可能性があるといいます。しかし、本当に全ての歪みが解消されたかどうかを判断するには、更なる解析が必要です。現時点では、歪みが完全に解消されたと断定するのは時期尚早であり、引き続き警戒を怠らないことが重要です。

今後の地震活動の予測は困難ですが、過去の地震活動や地殻変動などのデータに基づいて、一定の予測を行うことは可能です。専門家の分析結果を注視し、適切な防災対策を講じることが大切です。

日向灘における過去の地震発生地点日向灘における過去の地震発生地点

地震への備えを改めて確認

今回の地震は、日頃から地震への備えを怠らないことの重要性を改めて示しました。非常食や飲料水の備蓄、家具の固定、避難経路の確認など、基本的な防災対策を今一度見直しましょう。また、正確な情報を入手するために、信頼できる情報源を確認しておくことも大切です。