現代社会において、パフォーマンスの向上は誰もが願うこと。集中力、記憶力、そして健康維持、全てにおいて重要な役割を果たす「呼吸」に着目してみませんか?この記事では、ハーバード大学医学部客員教授である根来秀行氏が提唱する「4・4・8呼吸法」を中心に、呼吸法がもたらす驚くべき効果と実践方法をご紹介します。
呼吸法:自律神経をコントロールする鍵
呼吸は生命活動の根源であり、自律神経によって制御されています。自律神経は活動時の「交感神経」と休息時の「副交感神経」から成り、この2つのバランスが崩れると様々な不調が現れます。そして、この自律神経を意識的にコントロールできる唯一の方法が「呼吸法」なのです。
根来教授によると、呼吸法は血圧や心拍数を調整し、特に「自然治癒力」を高める効果が期待できるとのこと。自然治癒力とは、人間が本来持つ自己回復力であり、その向上には適度な運動、食事、睡眠、休息が不可欠です。そして、これら全てに通底するのが「呼吸」なのです。
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青学陸上部も実践!根来式呼吸法の威力
根来式呼吸法は、スポーツ界でも注目を集めています。箱根駅伝で8度目の総合優勝を果たした青山学院大学陸上部も、約10年前からこの呼吸法を取り入れ、レース前の最終調整に活用しているとのこと。その他、マラソンランナーの吉田祐也選手、卓球の水谷隼さん、競泳選手、メジャーリーガー、政治家など、様々な分野で活躍する人々が根来式呼吸法を実践しています。
緊張度チェック!左右の鼻の通りで分かる自律神経の状態
自分の緊張度合いを知る簡単な方法があります。それは、左右それぞれの鼻の穴を指で押さえ、どちらが呼吸しやすいかを確認すること。左の鼻の通りが良い人はリラックスした状態、右の鼻の通りが良い人は緊張気味の状態を示しています。
これは、鼻呼吸と自律神経が密接に関連しているためです。右の鼻の通りが良い場合は交感神経と左脳が優位になり、心身がアクティブな状態に。逆に、左の鼻の通りが良い場合は副交感神経と右脳が優位になり、心身がリラックスした状態になります。
パフォーマンス向上に繋がる「4・4・8呼吸法」とは?
根来教授が推奨する「4・4・8呼吸法」は、4秒かけて鼻から息を吸い、4秒間息を止め、8秒かけて口からゆっくりと息を吐き出す呼吸法です。この呼吸法は、副交感神経を優位にし、リラックス効果を高めるだけでなく、集中力や記憶力の向上にも繋がると言われています。 例えば、プレゼンテーション前や試験前に実践することで、緊張を和らげ、パフォーマンスを最大限に発揮できるでしょう。
「4・4・8呼吸法」の実践方法
- 楽な姿勢で座るか、横になる。
- 目を閉じて、4秒かけて鼻から息を吸う。
- 4秒間息を止める。
- 8秒かけて口からゆっくりと息を吐き出す。
- このサイクルを数回繰り返す。
場所を選ばず手軽に実践できるため、日常生活に取り入れやすいのも魅力です。 通勤途中や休憩時間など、隙間時間を活用して「4・4・8呼吸法」を試してみてください。
呼吸法で健康とパフォーマンスを向上させよう
呼吸は私たちが意識せずに毎日行っている行為ですが、少し意識を変えるだけで、心身の状態を大きく変化させる力を持っています。「4・4・8呼吸法」をはじめとする様々な呼吸法を日常生活に取り入れることで、自律神経のバランスを整え、健康増進、パフォーマンス向上に繋げましょう。