「2ちゃんねる」開設者で元管理人のひろゆき氏こと西村博之氏(48)が、2024年7月の参院選で躍進した参政党の神谷宗幣代表のX(旧ツイッター)での投稿に対し、用語の誤用を指摘し波紋を広げている。神谷氏の投稿は、党の「反グローバリズム」の姿勢と米国関税政策への見解について述べており、これに対しひろゆき氏が経済用語の正確な使用を求めた形だ。
神谷代表の国会質問とその意図
神谷宗幣氏は自身のXアカウントで、「参政党として初の予算委員会での質問でした。参政党の反グローバリズムのスタンスを説明し、トランプ関税との向き合い方を問いました。15%を守るのではなく、0%に近づける交渉をして欲しいと要望しました」と投稿した。この投稿には、党のYouTubeチャンネルで公開された国会中継の動画が添えられており、参政党の政策思想が垣間見えた。神谷氏は、米国が特定の関税率を維持するのではなく、さらに引き下げる交渉を進めるべきだと主張している。
ひろゆき氏による指摘とその根拠
神谷代表の投稿に対し、ひろゆき氏は「アメリカの関税が下がるとアメリカは輸入が増えるので、グローバリズム推進ですね。用語は正しく使いましょう」と短いながらも鋭い指摘を行った。この発言は、経済学的な観点から神谷氏の認識に誤りがあることを示唆している。一般的に、米国の関税が引き下げられると、外国からの製品が米国市場に流入しやすくなるため、輸入は増加する傾向にある。
ひろゆき」こと西村博之氏。X(旧ツイッター)での発言が注目される社会問題解説者の2024年7月時点の様子。
米国の輸入が増加することは、グローバリズムの推進に繋がると考えられる。輸入増は国内市場での競争を促進し、企業には効率性や革新性が求められるようになる。結果として、消費者にとっては低価格で高品質な商品が供給される可能性が高まる。さらに、輸入の増加は米国と他国との経済的な結びつきを深め、国際的な相互依存状態を強化することになり、これらはグローバリズムの典型的な特徴とされる。
SNS上の反響と議論の広がり
ひろゆき氏の指摘に対しては、X上で多くのユーザーから様々な意見が寄せられた。あるユーザーは「世界中の関税を0にするって言ったらグローバリズムですが、二カ国間の関税障壁を取り払うことはグローバリズムではないと思います。用語は正しく使って頂きたいです。国益に沿った外交をするのは当然です」と反論し、多国間主義と二国間主義の違いを指摘した。一方で、「言葉の使い方が国際的な用語の定義とズレているという意味で、ひろゆき氏の言う通り『用語を正しく使え』という指摘は的を射ていますね」とひろゆき氏の意見に同意する声も上がった。また、「全く同じ指摘を参院選中?にリハック出てた時に、西田先生からもされてた記憶が。人の話を聞かないんだなぁ」と、過去にも同様の指摘があったことを示唆するコメントも見受けられた。
今回のひろゆき氏と神谷代表の間のやり取りは、政治家が公の場で用いる経済用語の正確性、そしてそれが世論に与える影響について改めて考えるきっかけを与えた。特に「グローバリズム」といった複雑な概念においては、その定義や影響が多岐にわたるため、発言する側の責任が問われることになる。