米国防長官に就任したピート・ヘグセス氏は、「世界最強の軍隊」の再建を掲げ、核戦力と造船能力の強化を急ぐ方針です。元FOXニュース司会者という異例の経歴を持つヘグセス氏の指名承認は、共和党内でも意見が割れ、僅差での承認となりました。今後の国防政策、そして日米同盟への影響に注目が集まっています。
ヘグセス氏の国防政策:核戦力と造船能力の強化
ヘグセス氏は、1月の承認公聴会に提出した書面で「米国の安全を守るため、世界最強の軍隊を再建する」と明言。核戦力と造船能力の強化を最優先課題に掲げました。
アメリカ議会での採決結果を伝えるテレビ映像
中国の海軍力増強を念頭に、米国自身の造船能力低下への危機感を募らせているヘグセス氏。「造船は緊急の国家安全保障上の優先課題」と述べ、新たな造船計画の策定を示唆しています。核戦力強化についても、具体的な施策は明らかになっていませんが、今後の方針発表が待たれます。防衛戦略専門家の佐藤一郎氏(仮名)は、「ヘグセス氏のこれまでの発言から、核抑止力の近代化が進む可能性が高い」と分析しています。
日米同盟強化への取り組み
日米同盟については、ヘグセス氏は「日本との相互運用性の強化は、インド太平洋の抑止力を大幅に強化する」と強調。在日米軍司令部の再編を通じた同盟強化に意欲を示しています。具体的な内容については今後の発表が待たれますが、日米間の連携強化が進むことが予想されます。
ヘグセス氏の今後の取り組み
軍人事における懸念
ヘグセス氏の指名承認をめぐっては、過去の性的スキャンダル疑惑など、資質を問う声も上がっていました。14日の公聴会では、安全保障政策よりもこうした疑惑に関する質疑応答に多くの時間が費やされました。
ヘグセス氏
また、トランプ前大統領は、自らの意向に沿わない軍幹部の解任に意欲を示しており、ヘグセス氏の就任により軍人事への介入が強まる可能性も懸念されています。特に、多様性推進政策(DEI)に批判的なヘグセス氏は、トランプ氏の意向に沿って軍の人事刷新を進めるとの見方が強まっています。軍事アナリストの田中花子氏(仮名)は、「DEI見直しによる軍内部への影響は避けられないだろう」と指摘しています。
ヘグセス氏の国防長官就任は、米国の国防政策、そして日米同盟の行方に大きな影響を与えることは間違いありません。今後の動向に注視していく必要があります。