韓国の民主主義を振り返る:1987年からろうそく革命まで、そして今

民主主義とは何か。その答えは時代と共に変化し、人々の心に様々な形で刻まれてきました。この記事では、韓国の民主化の歴史を1987年の6月民主抗争から2017年のろうそく革命まで振り返り、民主主義の真髄について改めて考えてみたいと思います。

1987年:民主化への熱い想い

1987年、韓国は民主化への大きなうねりの中にありました。当時大学生だった私は、4.13護憲措置に反対し、街頭デモに参加していました。催涙ガスの煙るソウル市庁・南大門付近で、「護憲撤廃、独裁打倒」と声を張り上げたあの日の記憶は、今でも鮮明に残っています。

1987年のデモの様子1987年のデモの様子

あの頃の私たちは、自分たちの行動が後の6.29宣言、そして大統領直接選挙制へとつながると信じていました。まるで4.19世代や6.3世代のように、「6.10世代」と呼ばれる日が来るかもしれない、とさえ思っていました。しかし、現実はそう甘くはありませんでした。一部の学生運動関係者が権力の座に着き、民主化の理想を裏切るような行動をとる姿を見るにつれ、失望感は募るばかりでした。

386世代と民主主義への疑問

2004年、盧武鉉大統領の弾劾案が国会で可決された時、私は大学時代の友人と議論になりました。友人は弾劾を民主主義の破壊だと激しく非難しましたが、私は手続き的には問題ないと反論しました。すると友人は激昂し、「お前は朝鮮日報で出世したいのか!」と罵声を浴びせてきました。学生時代にはデモに参加したこともなかった友人が、なぜこれほどまでに過激になっているのか、理解に苦しみました。

民主主義とは、手続きを守ることではないのか。多数決で決まったことを受け入れることも、民主主義の重要な要素ではないのか。私はそう考えました。

ろうそく革命:民意の力

そして2017年、朴槿恵大統領の弾劾を求めるろうそく集会が韓国全土を席巻しました。ろうそくを手にした人々の訴えは、民主主義に対する強い想いを表していました。私はその情熱に共感しつつも、「ろうそく革命」という名称には違和感を感じていました。弾劾の手続きは憲法の規定に則って行われたものであり、革命と呼ぶにはふさわしくないと思ったからです。

民主主義は、常に変化し続けるものです。時代や状況によって、その形や意味合いも変わっていきます。しかし、どんな時代にあっても、人々の声を尊重し、公正な手続きを守ることが、民主主義の根幹にあるのではないでしょうか。

未来への希望

韓国の民主主義は、試行錯誤を繰り返しながら、少しずつ前進してきました。1987年の民主化運動からろうそく革命まで、様々な出来事を通して、人々は民主主義の大切さを学び、その実現に向けて努力を続けてきました。

これからの韓国の民主主義が、どのような道を歩んでいくのか、それは誰にもわかりません。しかし、過去の経験を糧に、より成熟した民主主義を実現していくことが、私たちの使命ではないでしょうか。