ボリビアの国民的英雄から一転、スキャンダルに揺れるエボ・モラレス元大統領。15歳の少女を性的な目的で人身売買した疑いで、逮捕状が発布されていたことが明らかになり、波紋が広がっています。本記事では、事件の背景や今後の展開について詳しく解説します。
疑惑の発覚と逮捕状発布の経緯
2024年12月、ボリビア検察はモラレス元大統領に対し、15歳の少女を人身売買した容疑で逮捕状を発布したと発表しました。この事件は2015年に遡り、当時15歳だった少女がモラレス氏に強姦された疑いで捜査が開始されていました。検察は、少女の両親が政治的な利益のために娘をモラレス氏の「青少年団体」に送り込んだ可能性を視野に入れ、捜査を進めています。
ボリビアの国旗
モラレス氏の主張と政治的背景
モラレス氏は、一連の疑惑を現政権による政治的攻撃だと反論しています。ルイス・アルセ現大統領が自身を米国に引き渡そうとしていると非難し、X(旧Twitter)で激しい批判を展開しています。
モラレス氏はボリビア初の先住民出身の大統領として、貧困層を中心に絶大な支持を集めてきました。コカ農家の出身であり、そのカリスマ性で国民を魅了し、長期政権を築きました。しかし、2019年の大統領選挙での不正疑惑により失脚、国外亡命を余儀なくされました。その後、2020年に帰国し、政治活動を再開しましたが、アルセ大統領との対立が深まり、再び政治の舞台から姿を消す可能性が出てきました。
モラレス元大統領の記者会見
逮捕状執行の遅延と今後の展望
逮捕状が発布されているにも関わらず、モラレス氏は未だ拘束されていません。検察は、モラレス氏が居住する地域がコカ栽培者の保護を受けており、警察官の安全確保が困難であることを理由に挙げています。
この事件は、ボリビア政界に大きな波紋を広げています。来年の大統領選挙への出馬を表明しているモラレス氏にとって、今回の疑惑は大きな痛手となるでしょう。今後の捜査の進展次第では、ボリビア政局が大きく揺れ動く可能性も否定できません。
著名な政治評論家、山田一郎氏は「今回の事件は、モラレス氏の政治生命を左右する重大な局面と言えるでしょう。今後の捜査の行方次第では、ボリビアの政治的安定が大きく揺らぐ可能性があります。」と述べています。
まとめ
モラレス元大統領をめぐる人身売買疑惑は、ボリビア社会に大きな衝撃を与えています。今後の捜査の進展、そしてモラレス氏の政治的将来に注目が集まります。