医師に聞く「肝臓から脂肪を減らす」朝食の選び方 コンビニで売っている商品でも対策できる


【図】脂肪肝を予防・改善するための食事の例

 脂肪肝とは肝細胞の30%以上に中性脂肪がたまった状態のことを指します。40〜50代に多く、当院でもこの年代の患者さんが大半を占めます。また高齢者では食が細くあまり運動もしないことから、筋肉が少なく脂肪が多い状態の方もおり、見た目はスリムでも脂肪肝というケースが見受けられます。

 放置すると肝硬変や肝臓がんに進展するおそれがあり、予防・改善に努める必要があります。ただし厄介なのは、脂肪肝に自覚症状はなく、健康診断などで指摘されたとしても特に症状が見られないので、改善に取り組む方は多くありません。

 私は臨床以外に複数の企業で産業医としても勤めており従業員の健康診断の結果を確認しますが、従業員は肝機能が少し悪いくらいだと気にしないのが実態です。B判定、C判定なので次回まで様子を見ようということが10年くらい続き、肝炎などになってようやく重い腰を上げるケースが目立つのです。

 脂肪肝を予防・改善するには運動や食事などの生活習慣を見直すことが必要です。メタボリックシンドロームと診断された、あるいは体重やウエスト周囲径が増えたなら体内の脂肪を燃焼させるためウォーキングやジョギング、水泳といった有酸素運動を定期的に行いましょう。筋肉トレーニングなどで筋肉量が増加すると基礎代謝も高まり、さらに効果的です。



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