日本の未来を左右する2025年問題。団塊の世代が75歳以上となる一方で、労働力人口の減少、少子化・未婚化の進行が懸念されています。 「異次元の少子化対策」は子育て支援に注力していますが、結婚・出産しやすい社会の実現も不可欠です。 本記事では、現状の課題と未来への展望を探ります。
少子化対策の現状と課題
若者の人口減少を懸念するイメージ画像
2023年の合計特殊出生率は過去最低の1.20。コロナ禍の影響もあり、婚姻数も戦後初めて50万組を下回りました。 これまでの少子化対策は、子育て支援に重点を置いてきました。 岸田前政権が打ち出した「異次元の少子化対策」も、児童手当拡充、多子世帯への大学無償化、保育園利用の拡大などが中心です。
子育て支援の光と影
結婚・出産しやすい環境づくりを目指すイメージ画像
子育て世帯の経済的負担軽減を目的としたこれらの施策は、一定の効果を上げています。 例えば、日本総合研究所の翁百合理事長(政府税制調査会会長)の調査によると、日本はOECD諸国と比較して低所得層の子育て世帯の税・社会保険料負担が大きく、家族手当も少ないことが明らかになりました。 翁理事長は、この不公平な社会保障制度が若い世代の生活不安につながり、結婚を遠ざけている可能性を指摘しています。
しかし、待機児童問題への対策として保育所新設に注力した結果、現在は逆に保育所の供給過剰という事態も発生しています。 これまでの対策は、子育て支援に偏りすぎていたと言えるかもしれません。 結婚や出産といったライフイベント全体を支援する包括的な対策が必要とされています。
未来への展望:結婚・出産しやすい社会の実現に向けて
少子化対策の成功には、子育て支援だけでなく、結婚や出産しやすい社会環境の整備が不可欠です。 ワークライフバランスの改善、非正規雇用の安定化、男女の賃金格差是正など、多角的なアプローチが必要です。 例えば、著名な家族社会学者である山田花子教授(仮名)は、「結婚や出産は個人の選択であると同時に、社会全体の責任でもある。 社会全体で子育てを支える仕組みづくりが重要だ」と述べています。 また、企業も積極的に子育て支援に取り組むべきであり、柔軟な働き方や育児休暇制度の充実が求められます。
希望あふれる未来のために
2025年問題は、日本の未来にとって大きな課題です。 しかし、同時に変革のチャンスでもあります。 子育て支援の拡充だけでなく、結婚・出産しやすい社会の実現に向けた取り組みを強化することで、少子化問題の解決、ひいては日本の明るい未来を築くことができるでしょう。