マイクロプラスチック、脳の血流に悪影響? マウス実験で驚きの結果

マイクロプラスチックによる健康への影響が懸念される中、中国の研究チームがマウス実験で驚くべき結果を発表しました。なんと、マイクロプラスチックが脳の血管に血栓を作り、血流を阻害する可能性があるというのです。この記事では、その研究内容と今後の課題について詳しく解説します。

マイクロプラスチックとは? 脳への影響は?

マイクロプラスチックとは、5mm以下の微細なプラスチック粒子のこと。海洋汚染だけでなく、大気や食物連鎖を通して人体にも取り込まれていることが明らかになっています。人体への影響はまだ解明されていない部分も多いですが、今回の研究は脳への影響について新たな知見をもたらしました。

マイクロプラスチックが人体に及ぼす影響のイメージ図マイクロプラスチックが人体に及ぼす影響のイメージ図

中国北京師範大学の研究:マウス実験で血栓形成を確認

中国北京師範大学の黄蔚研究員らのチームは、蛍光物質で標識したマイクロプラスチックをマウスに投与し、その動きをリアルタイムで観察しました。経口投与では数時間後、血管への直接注入ではわずか10分以内に、マイクロプラスチックが脳の血管に到達することが確認されました。

マイクロプラスチックは、免疫細胞の一種である好中球やマクロファージによって取り込まれますが、分解されずに細胞内に残留。これが血栓となり、血流を阻害することが判明しました。特に細い血管において、血流の低下が顕著に観察されました。

マウスの脳内のマイクロプラスチックの蛍光画像マウスの脳内のマイクロプラスチックの蛍光画像

マイクロプラスチックによる脳機能への影響

血流阻害は、脳への酸素供給不足を引き起こし、マウスの認知機能や運動能力に悪影響を及ぼしました。迷路テストや棒にぶら下がるテストにおいて、マイクロプラスチックを投与されたマウスは、対照群に比べて低い成績を示しました。

専門家の見解と今後の課題

栄養学専門家の佐藤先生(仮名)は、「この研究はマイクロプラスチックの新たな危険性を示唆する重要な成果です。脳への影響は特に懸念されるべきであり、さらなる研究が必要です」と述べています。

今回の研究はマウス実験であり、人間への影響を直接的に示すものではありません。しかし、韓国の研究では、成人の血液からマイクロプラスチックが検出されており、人体への影響は無視できない課題となっています。今後の研究で、人間への影響についてより詳細な解明が期待されます。

まとめ:マイクロプラスチック問題への意識を高めよう

マイクロプラスチックは、私たちの身近に存在し、健康への影響が懸念される物質です。今回の研究結果を踏まえ、マイクロプラスチック問題への意識を高め、プラスチックの使用量削減など、私たち一人ひとりができることを考えていく必要があります。