(CNN) イタリアのスキー場で、SNSインフルエンサーの投稿をきっかけに1万人もの日帰り客が殺到して大混雑する騒ぎがあった。道路は大渋滞して迷惑行為も頻発し、自治体は緊急の雑踏管理対策を強いられている。
騒ぎはスキー客に人気のアブルッツォ州ロッカラーゾで26日に発生。大雪のことを伝えたSNSインフルエンサーの投稿をきっかけに、海岸沿いの街ナポリの旅行会社が片道2時間の格安バスツアーを売り出した。
200台のツアーバスに加えて日帰り観光客の車も続々と詰めかけ、狭い道路は大渋滞。1500人の地元住民から不満が噴出した。
団体客はスキー場のエチケットを無視したり、急ごしらえのそりで斜面を滑り降りたりしていたとされ、中には鍋に乗って滑る客もいたという。
SNSにはバーベキューで暖を取ったりする客を撮影した動画が投稿され、苦情が噴出。ごみを放置する客も非難の的になった。周辺の自治体はツアーバスの規制などの対策を強いられた。
地元メディアの報道によると、発端はナポリ在住のインフルエンサーが、ロッカラーゾの動画をTikTok(ティックトック)などのSNSに投稿して雪を体験しようと呼びかけたことだった。
ロッカラーゾの市長によると、普段の週末であれば2日間で訪れるスキー客は約2万人、そりやトレッキング客は1万5000人程度。これに26日だけで1万人が加わったため、防犯上のリスクが生じた。
2月2日の日帰りツアーは2倍の予約が入っていると伝えられ、市長は州都ラクイラに交通警察や防犯隊の出動を要請している。