アメリカハイテク株、特に半導体大手エヌビディアの株価が2024年1月27日、前週末比で約17%も大暴落し、時価総額にして92兆円近くが消失しました。この衝撃的な出来事の裏には、中国の新興AI企業「DeepSeek（ディープシーク）」の存在が大きく関わっていると言われています。一体何が起きたのでしょうか？
DeepSeekとは？驚異の低コストAI開発
エヌビディア株価暴落の引き金となったのは、DeepSeekが低コストで開発した生成AI「R1」の発表でした。アメリカのAI産業への脅威と捉えられ、市場に大きな不安が広がったのです。DeepSeekは2022年に設立されたスタートアップ企業で、ヘッジファンドも運営する技術者が率いています。豊富な資金力と中国政府の支援を背景に、驚異的なスピードでAI開発を進めているようです。
DeepSeekのロゴ
DeepSeek「R1」の実力：ChatGPTを超えるか？
DeepSeekの「R1」は、その性能においてOpenAIのChatGPTに匹敵、あるいは凌駕する部分もあると報じられています。ダウンロード数もアメリカ国内でChatGPTを抜いてトップに躍り出るなど、その人気は凄まじいものがあります。現状は英語と中国語版のみの提供ですが、日本語版のリリースも期待されます。
中国AI躍進の背景：国家戦略と巨大IT企業の参戦
中国政府は「新世代人工知能開発計画」を掲げ、2030年までにAI先進国となることを目標としています。百度（バイドゥ）やアリババといった巨大IT企業もAI開発に積極的に取り組んでおり、中国のAI技術は急速な進化を遂げています。電気自動車市場での成功を例に、AI分野でもアメリカを追い抜こうとする中国の勢いは、もはや無視できない存在となっています。
中国のAI開発
米中AI覇権争いの行方：共存か、競争か？
DeepSeekの登場は、米中AI覇権争いが本格化したことを示唆しています。ハイエンド市場と低コスト市場で共存する可能性も指摘されていますが、今後の展開は予測困難です。AI開発に注力するアメリカ新政権の動向も注目されます。
低コスト戦略の鍵：DeepSeekの強み
DeepSeekのAI開発コストは、アメリカ企業の数億ドル〜数十億ドルに比べて、わずか560万ドル（約8.7億円）と圧倒的に低いことが報じられています。この低コスト戦略が、アメリカ企業にとって大きな脅威となっていることは間違いありません。今後のAI開発競争において、コストパフォーマンスは重要な要素となるでしょう。
まとめ：DeepSeekの挑戦は続く
DeepSeekの登場は、AI業界の勢力図を塗り替える可能性を秘めています。今後のDeepSeekの動向、そして米中AI覇権争いの行方に、世界中が注目しています。
