103歳女性の足切断事件:ブラジリアで無資格看護師による衝撃の医療ミス

高齢化社会における医療の在り方が改めて問われる痛ましい事件がブラジリアで発生しました。103歳になる寝たきり、かつ視力も失っている女性の足が、無資格の看護師によって麻酔なしで切断されるという衝撃的な出来事です。今回はこの事件の詳細と、背景にある問題点について掘り下げていきます。

事件の概要:自宅で無麻酔の切断手術

事件は昨年12月、ブラジリアの被害女性宅で起こりました。足の壊死が確認されていたものの、家族は高齢と体力の衰えを考慮し、手術ではなく緩和ケアを選択していました。しかし、息子の雇った看護師が、適切な医療設備もない自宅で、麻酔なしで切断手術を実行したのです。

103歳女性が切断手術を受ける様子を想像したイメージ画像103歳女性が切断手術を受ける様子を想像したイメージ画像

使用されたメスも不適切な管理下で鋭利性を欠いており、安全性が極めて低い状態だったとされています。手術後、看護師は切断した足を自身の勤務先である公立病院で廃棄しようと試みた形跡があり、家族とのSNSメッセージでその様子を笑いながら語るなど、無責任で軽率な態度を見せていたことが明らかになっています。

事件発覚の経緯と警察の捜査

事件は、目撃者からの相談を受けた高齢者支援団体「インスチトゥト・エヴァ」が、1月27日に警察に通報したことで発覚しました。警察は「高齢者や障害者への犯罪」として捜査を進めており、切断された足の最終的な廃棄場所や手術に使用された器具の詳細、麻酔が使用されなかった経緯など、解明されていない点も多いことから、今後の捜査に注目が集まっています。

医療倫理の観点からの問題点

連邦区看護審議会(Coren―DF)は、看護師による手術は法的にも倫理的にも認められない行為だと強く非難しています。看護師の役割はリハビリテーションやケアであり、手術は医師の責任範囲であることを明確に示し、今回の事例は重大な倫理違反であると強調しました。 高齢者医療の専門家である山田医師(仮名)も、「患者の意思を尊重し、適切な医療を提供することが医療従事者の責務です。今回の事件は、その根本を揺るがす深刻な問題です」と指摘しています。

医療倫理に関するシンポジウムのイメージ画像医療倫理に関するシンポジウムのイメージ画像

被害女性の現状と今後の課題

被害女性は告発後に緊急の再手術を受け、現在も集中治療室(ICU)に入院しています。今回の事件は、高齢化社会における在宅医療の課題、医療倫理の重要性、そして医療従事者の責任を改めて私たちに突きつけています。高齢者が安心して生活できる社会の実現に向けて、関係機関の連携強化や意識改革が急務と言えるでしょう。