政府は3日付で令和元年秋の叙勲受章者を発表した。今回最高位の桐花大綬章に伊達忠一前参院議長(80)が選ばれた。俳優の柄本明さん(71)、泉ピン子(本名・武本小夜)さん(72)、歌手の水前寺清子(本名・林田民子)さん(74)、由紀さおり(本名・安田章子)さん(72)らには旭日小綬章が贈られる。
受章者は桐花大綬章1人、旭日章1005人、瑞宝章3107人で計4113人。このうち民間人は1967人で47・8%を占めた。内閣府によると平成15年の制度改正以降で最高。女性は旭日重光章の中山恭子元拉致問題担当相(79)ら411人で10%を占め、人数、割合ともに制度改正以降で最高となった。
旭日大綬章は6人で、谷垣禎一元財務相(74)、溝手顕正元国家公安委員長(77)、柳本卓治前参院憲法審査会長(74)、槍田松瑩元三井物産社長(76)、岡本圀衛元日本生命保険社長(75)、松尾新吾元九州電力社長(81)に決まった。瑞宝大綬章は小津博司元検事総長(70)の1人。
芸術文化分野では、小説家の坂上弘さん(83)、日本舞踊家の藤間勘祖(本名・藤間高子)さん(73)、陶芸家の森野泰明さん(85)らが旭日中綬章、歌人の永田和宏さん(72)が瑞宝中綬章を受章。産業振興分野では、天坊昭彦元出光興産社長(79)に旭日重光章、正垣泰彦サイゼリヤ会長(73)に旭日中綬章が贈られる。
学術研究分野では、フランス文学の塩川徹也東大名誉教授(74)らが瑞宝重光章、医療・福祉分野で寺下浩彰和歌山県医師会会長(72)らが旭日小綬章に決定。「人目につきにくい分野」では、医師として僻地(へきち)医療に従事した奥原佐さん(70)=長野県木祖村=らが瑞宝双光章を受けた。
別枠の外国人叙勲は66カ国・地域で受章者数は136人(うち女性は22人)。パネッタ元米国防長官(81)、フランスのルドリアン外相(72)が旭日大綬章、ズムワルト元駐日米公使(63)が旭日中綬章に決まった。
大綬章は天皇陛下、重光章は安倍晋三首相が7日に皇居で授与する。