韓国・釜山で2月1日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾に反対する大規模デモが行われました。大雨にもかかわらず、釜山駅広場を中心に1万人以上が集まり、熱気に包まれました。地方都市での大規模な弾劾反対デモは今回が初めてであり、全国的な広がりを見せています。
釜山を揺るがす熱狂のデモ
2月1日午後、激しい雨が降りしきる釜山。しかし、釜山駅広場には傘やレインコートを身につけた人々が集まり、熱気は雨を吹き飛ばすほどでした。プロテスタント系団体「セーブ・コリア」が主催するこの「国家非常祈とう会」は、尹大統領の弾劾に反対する人々の声を集める場となりました。警察の推計では約1万3000人が参加し、釜山駅広場は人で埋め尽くされました。
alt(釜山駅広場に集まったデモ参加者たち。雨の中、熱気に包まれている様子がわかる。)
これまでソウルを中心に週末に行われてきた弾劾反対デモですが、尹大統領が起訴されたことを受け、地方都市にも波及しました。釜山での大規模デモは初めてであり、その規模と熱気は韓国社会の注目を集めています。
雨にも負けぬ市民の声
釜山地方気象庁によると、当日の降水量は20.6ミリ。しかし、雨にもかかわらず、デモ参加者の熱意は冷めるどころか、ますます高まりました。釜山駅広場だけでなく、地下鉄駅構内や路地、ビルの屋上まで人々で溢れかえり、その数は主催者側の推計で10万人に達したといいます。
釜山の交通網にも影響
あまりの人の多さに、釜山交通公社は安全確保のため、釜山駅を通過する措置を取りました。また、駅周辺のコンビニエンスストアでは傘やレインコートが売り切れるなど、デモの影響は広範囲に及んでいます。「KTXのチケットも売り切れで、旧正月のようだった」という参加者の声からも、このデモの規模の大きさが伺えます。
alt(デモ参加者で埋め尽くされた釜山駅周辺。交通機関にも影響が出た。)
釜山市民のクォンさん(70代)は、「釜山駅広場はいっぱいで入ることもできなかった。こんなに人が集まったのは初めて見た」と驚きを隠せない様子。他の参加者からも「路地も人で動きにくいほどだった」という声が聞かれました。
弾劾反対を訴える声
デモ参加者たちは太極旗や星条旗を振りながら、「尹錫悦大統領弾劾反対」「大統領を釈放せよ」とシュプレヒコールを上げていました。「戒厳合法 弾劾無効」「極左判事 一体どういうことなんだ」「李在明拘束」といったプラカードも見られ、参加者たちの強い思いが伝わってきました。
韓国政治専門家のキム・ヨンチョル氏(仮名)は、「今回の釜山でのデモは、尹大統領への支持が地方にも広がっていることを示している。今後、弾劾をめぐる攻防はさらに激化していく可能性がある」と分析しています。
この大規模デモは、韓国政治の行方に大きな影響を与える可能性があり、今後の動向に注目が集まっています。