【ロンドン=黒瀬悦成】第二次世界大戦が日本の降伏で終結してから80年を記念する式典が15日、英中部スタッフォードシャーにある戦没者追悼の国立植物園で開かれた。日本と戦った英退役軍人に加え、チャールズ国王夫妻やスターマー首相が出席して戦没者を追悼した。
式典では出席者らが2分間の黙祷(もくとう)をささげた。国王は式典に先立ち発表したメッセージで、広島と長崎への原爆投下による惨禍を深く認識し、日本国民に課された「計り知れない犠牲」を「どの国も二度と払うことがないよう祈る」と述べた。
式典には、日本軍が英領インパールの占領を目指した1944年のインパール作戦に父親が参加した、英南東部エセックス在住のマクドナルド昭子さん(74)も招かれた。
マクドナルドさんは英国人と結婚し、日英の戦後和解に取り組む「ビルマ作戦協会」の会長を務めている。マクドナルドさんは式典前、産経新聞に「日本が一方的に謝罪するのではない真の和解を目指す運動を続けてきた」と語り、戦後80年を経た日英友好の発展を願う考えを示した。