伊藤詩織氏が監督したドキュメンタリー映画『Black Box Diaries』がアカデミー賞長編ドキュメンタリー賞にノミネートされ、日本人監督として初の快挙と話題になっています。しかし、祝福ムードの裏で、過去のクラウドファンディング作品『ユーパロのミチ』が未だ未完成という問題が浮上し、波紋を広げています。
アカデミー賞ノミネートと過去の未完成作品
『Black Box Diaries』は、伊藤氏自身の性被害体験を記録した作品です。しかし、元代理人弁護士から、裁判以外での使用を禁じたホテルの防犯カメラ映像の使用など、法的・倫理的な問題点を指摘されています。
一方、『ユーパロのミチ』は、北海道夕張市を舞台にしたドキュメンタリー映画で、伊藤氏は2019年春にクラウドファンディングで約530万円の支援を集めました。しかし、6年近く経った現在も作品は完成しておらず、支援者からは不安の声が上がっています。
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支援者からの声:説明責任はどこに?
当初は進捗状況を伝えるメールが届いていたものの、次第に連絡が途絶えがちになったといいます。2023年6月には2024年1月に特別上映会を開催予定と連絡があったものの、実現には至りませんでした。支援者の中には、DVDやフォトブックなどのリターンを受け取っていない人もいるようです。
2024年2月には更なる公開延期と『Black Box Diaries』の公開を告げるメールが届いたものの、それ以降の連絡はなく、支援者からは説明責任を求める声が上がっています。
専門家の見解:クラウドファンディングの透明性
クラウドファンディングに詳しい専門家A氏は、「クラウドファンディングは、資金提供者と制作者間の信頼関係が重要です。プロジェクトの進捗状況を透明化し、支援者と積極的にコミュニケーションをとることが不可欠です」と指摘します。
伊藤氏側の沈黙と今後の展望
伊藤氏、プロデューサー、クラウドファンディング運営会社に取材を申し込んだものの、期日までに回答は得られていません。
『Black Box Diaries』のアカデミー賞ノミネートは喜ばしいニュースですが、過去の未完成作品の問題は、伊藤氏の今後の活動に影を落とす可能性があります。支援者への誠実な対応と説明責任を果たすことが、信頼回復への第一歩となるでしょう。