小林亜星、集大成の作品集CD テレビ全盛期を彩った153曲



作品集CD「小んなうた 亞んなうた~小林亜星楽曲全集~」4作を発売し、曲ができた頃の様子を語る小林亜星
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 作曲家でタレントとしても知られる小林亜星(87)が、自身の集大成ともいえる作品集CD「小んなうた 亞んなうた~小林亜星楽曲全集~」を発売した。当時の番組やコマーシャルを見聞きした人なら誰でも口ずさめそうな曲が並ぶ。亜星本人に当時を振り返ってもらった。(兼松康)

♪どこでも自分の曲

 「こんなに曲を作らせてもらったかと思うと、感無量です」-。作品集を前に相好を崩す。4種のCDの収録曲は計153曲に上る。

 「呑(の)んべなので夜は作れず、朝に早起きして作ることが多かった。夢の中で曲ができたことも3度。そのまま譜面にして持っていったら、先方に『さえてますね』と言われたことも」と笑う。「曲作りは道楽。道楽を仕事にできて幸せだったと思う」と語る。

 多作としても知られる。「地方に行ってホテルでテレビを見ると、CMかアニメかドラマか、必ず自分の曲がかかった」というほど。ただ、それに大きな感慨はなく「作ってしまえば第三者的に他人の曲に聞こえていた」と述懐する。

 「やたらとたくさん作っただけで、たいして人さまの話題にもならなかった」と謙遜するが、そんなことはない。東映動画の第1号アニメ「狼少年ケン」(昭和38~40年)の主題歌は、平成に入ってロッテのガム「Fit’S(フィッツ)」のCMにも使われた。昭和51年の日本レコード大賞受賞曲「北の宿から」(都はるみ)など、その時代を代表する曲も数多い。

♪ありがたい時期に…

 「私が育ててもらったのは、テレビの創成期から見られなくなり始めるまで。みんながテレビの影響を受けていた時代」と分析する。「今はみんなで一緒にテレビを見ることも少なくなって、中には見ない人もいる」

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