フジテレビが元タレント中居正広氏の女性トラブルを巡り経営危機に陥っている。スポンサーCMの大量差し替え、ACジャパンCMの増加、港浩一前社長の辞任など、事態は深刻さを増している。この騒動は、番組にも大きな影響を与えている。特に、港前社長が力を入れていたとされる「オールナイトフジコ」と「ぽかぽか」の将来が不安視されている。
暗雲立ち込める「オールナイトフジコ」
1月24日深夜に生放送された「オールナイトフジコ」は、異様な雰囲気に包まれていた。MC陣は神妙な面持ちで登場し、番組開始を危ぶむ発言も飛び出した。現役女子大生の“フジコーズ”メンバーにも笑顔はなく、番組本来の明るい雰囲気は失われていた。
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ある民放プロデューサーは、「フジテレビの番組出演者は皆、同じような気持ちだろう。特にバラエティ番組は厳しい状況だ。局がこのような状況で、はしゃいでいる姿は空回りしているようにしか見えない」と語る。現在のフジテレビのバラエティ番組は、見ている側にも虚しさを感じさせる。
港前社長のレガシー「オールナイトフジ」と「オールナイトフジコ」
かつてフジテレビは、「楽しくなければテレビじゃない」をスローガンに、バラエティ番組を中心に視聴率トップを独走していた。「オールナイトフジ」はその象徴的な番組であり、港前社長自身もディレクターを務めていた。そして、社長就任後に企画された「オールナイトフジコ」は、「オールナイトフジ」へのオマージュであり、港前社長の肝いり番組と言われている。
窮地に立たされた「ぽかぽか」
もう一つの肝いり番組として挙げられるのが、2023年1月にスタートした平日昼のバラエティ番組「ぽかぽか」だ。開局65周年記念イヤーの第1弾として、港前社長の号令の下、企画された。しかし、港前社長の辞任により、打ち切りも囁かれている。
平日昼の時間帯は、NHKのニュース、日本テレビの「ヒルナンデス!」、TBSの「ひるおび」、テレビ朝日の「大下容子 ワイド! スクランブル」など、情報・報道番組が主流だ。フジテレビもこれまで「バイキング」シリーズや「ポップUP!」といった情報番組を放送していたが、「ぽかぽか」ではバラエティ路線へと舵を切った。
なぜ、平日昼にバラエティ番組を編成したのか? テレビ業界の専門家、山田一郎氏(仮名)は、「視聴者のニーズが多様化している中で、新たな視聴者層を開拓しようとしたのではないか。しかし、今回の騒動で、その戦略も白紙に戻ってしまう可能性がある」と分析する。
番組の未来は?
「オールナイトフジコ」と「ぽかぽか」は、港前社長の強い思いが込められた番組だった。しかし、経営危機という厳しい現実の中で、その存続は不透明となっている。今後のフジテレビの動向、そして、これらの番組の行方に注目が集まっている。