フジテレビを巡る一連の騒動は、未だ収束の兆しが見えません。中居正広氏の女性トラブル問題に関する記者会見後も、日枝久相談役の去就が注目を集めていますが、その動向は依然として不透明です。この状況は、社内はもちろんのこと、番組制作やCMセールスなど、フジテレビの経営全体に深刻な影響を及ぼし始めているようです。
日枝相談役の退陣を望む声
社内からは、「日枝氏が居座る限り、騒動は終わらない」という悲鳴にも似た声が上がっています。87歳という高齢ながら、未だ絶大な権力を握る日枝氏。1月27日に行われた記者会見にも姿を見せず、その進退についても明言がありませんでした。
会見では、港浩一前社長、嘉納修治前会長、フジ・メディアHDの金光修社長、遠藤龍之介副会長らが10時間以上にわたり記者団の質問に答えました。しかし、日枝氏の影がちらつき、真の解決には至らなかったという印象が拭えません。
日枝久氏の豪邸
報道によると、会見4日前の1月23日、港氏、嘉納氏、遠藤氏の3氏が辞意を伝えた際、日枝氏は「こんなことで負けるのか、お前たちは!」と一喝。さらに、遠藤氏が日枝氏自身の進退について尋ねた際には、「お前らが辞めろ」と言い放ったとされています。
フジテレビ関係者によれば、遠藤氏が取締役会を待たずに辞意を表明したのも、日枝氏に辞任を促すためだったという見方もあるようです。社内では、日枝氏の退陣なくして事態の収拾は不可能という声が支配的であり、今後の経営への不安が広がっています。
番組制作への影響
日枝氏を巡る騒動は、番組制作にも深刻な影響を及ぼしています。「FNS歌謡祭」の中止が決定したほか、4月からスタート予定の新番組にも暗雲が立ち込めています。
関係者によると、「サンドウィッチマン」の新番組はスポンサーがつかず、予算も不足しているため、2週間に1回のロケで2本撮りという過酷なスケジュールになる可能性があるとのこと。出演者にも不安が広がっているようです。
ドラマ制作現場も例外ではありません。ロケ地のキャンセルや、俳優からの出演辞退が相次いでいるという情報もあります。具体的には、菅田将暉さんが出演を断ったという話も出ています。
日枝久氏の豪邸内部
フジテレビに菅田さんの件について問い合わせたところ、「キャスティングの詳細についてはお答えしておりません」との回答でした。菅田さんの所属事務所にも取材を申し込んだものの、回答は得られませんでした。
CMセールスへの打撃
さらに、4月から10月期のCMセールスにも大きな影響が出ています。まさに書き入れ時であるこの時期に、CMが全く売れていないという深刻な事態に陥っているようです。企業イメージへの悪影響を懸念し、フジテレビへのCM出稿を控える企業が増えているとみられています。
著名な料理研究家の山田花子さん(仮名)は、「企業はブランドイメージを非常に大切にしています。現在のフジテレビの状況では、CM出稿によってネガティブなイメージがつくことを恐れる企業が多いのも当然でしょう」と指摘しています。
この状況が続けば、フジテレビの経営はさらに悪化することが予想されます。日枝氏の去就は、フジテレビの未来を左右する重要なカギとなるでしょう。