中国のAI新興企業DeepSeekが開発したAIモデルが、国内の半導体メーカーやクラウドサービス事業者から大きな注目を集めています。この動きは、中国が米国製ハードウェアへの依存を低減する上で重要な転換点となる可能性を秘めています。
DeepSeekのAIモデル、国内企業から続々サポート表明
DeepSeekが開発したAIモデル「R1」と「V3」は、その性能の高さが評価され、多くの中国企業からサポートを受けることが発表されました。AI半導体メーカーであるムーア・スレッズと海光信息技術は、自社のコンピューティングクラスターとアクセラレーターでこれらのAIモデルをサポートすることを表明。ムーア・スレッズは、DeepSeekとの連携が国内AI産業の発展に大きく貢献すると期待を寄せています。
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ファーウェイもDeepSeekと提携、国産AIエコシステム構築へ
通信機器大手のファーウェイも、DeepSeekのAIモデルを自社のクラウドサービスで提供するため、AIインフラ企業である北京硅基流動科技(シリコンフロー)と提携しました。ファーウェイのクラウドサービス上でDeepSeekのAIモデルが利用可能になることで、中国企業は高性能なAIをより手軽に活用できるようになります。この提携は、中国における国産AIエコシステムの構築を加速させるでしょう。
米国製ハードウェアへの依存脱却、中国AI産業の未来を拓く
バーンスタインのアナリストは、ファーウェイがDeepSeekのモデルを自社開発のAIチップ「Ascend」と統合したことを「重要な転機」と評価しています。DeepSeekのAIモデルは、国産半導体でも十分な性能を発揮できることを証明しました。これは、米国製の高性能ハードウェアへの依存度を低減する上で大きな一歩となります。今後、カンブリコンや海光信息技術などが開発する国産AIチップとの連携も期待されており、中国AI産業のさらなる発展が期待されます。
中国テック giantsもDeepSeekに注目
アリババ、バイドゥ、テンセントといった中国のテック giantsも、DeepSeekのAIモデルを活用したクラウドサービスを展開しています。これらの企業の参入により、DeepSeekのAI技術はさらに広範囲に普及し、中国のAI市場全体を活性化させる力となるでしょう。
DeepSeekの躍進、中国AIの新たな時代を切り開く
DeepSeekと国内企業の連携は、中国AI産業の自立性を高め、国際競争力を強化する上で重要な役割を果たすと考えられます。DeepSeekの今後の動向に、世界中から注目が集まっています。