<北朝鮮内部>インフレ対策で臨時金券「トンピョ」を大量発行 「政府信用ならん」と早くも価値暴落 受け取り拒否も


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◆3年半前は財政難の窮余策で発行したが

これは、新型コロナ・パンデミックによる深刻な経済不振で、政府機関や企業が従業員の労賃支払いや決済ができなくなり、救済策として発行したものだ。また、金正恩政権は断行した徹底的な国境封鎖のため、正規紙幣印刷用の紙やインクを中国から輸入できなくなっていた。外貨不足が理由だったと考えられる。

「トンピョ」は将来的に同じ額面の正規の貨幣と交換できると政府は通知したが、市中では、不信感から商店や市場で「トンピョ」の受け取りを拒否したり、割り引いて売買したりするなど、当初から忌避が横行していた。「紙質が悪く、すぐボロボロになる」と評判も悪かった。

◆白米1.65倍、ガソリン2.15倍のハイパーインフレ

こう伝えたのは両江道に住む取材協力者A氏だ。北朝鮮では昨年8月頃から、食糧、ガソリンと軽油、中国元、米ドルの価格が急騰した。12月の市中価格は、年初に比べて白米は1.65倍、ガソリンは2.15倍、米ドルは3.3倍に上がった。ハイパーインフレである。

その原因の一つは、「貨幣交換」が行われるという噂が拡散したからだった。通貨を新ウォンに切り替えて、旧紙幣は無効になるというのである。北朝鮮ウォンの価値下落を予想して、多くの人が中国元や米ドルを求め、物資の買い占めと売り惜しみに走った。



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