カリフォルニア州など全米4州で活動している国際弁護士の吉田大氏は7日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜午前8時)に出演し、ドジャース大谷翔平選手の元通訳で、銀行詐欺罪などに問われた水原一平被告(40)が、米カリフォルニア州の連邦地裁から禁錮4年9月、大谷への約1659万ドル(約25億7000万円)の賠償などの量刑を言い渡されたことについて解説した。 吉田氏は、禁錮4年9カ月の量刑について「非常に厳しい判断だったと思う」と指摘した。
「(米国内で定められている)量刑ガイドラインには幅があり、検察は今回、下限の4年9カ月を主張してきた」とした上で「ただ、今回、水原氏は多大な貢献をした。司法取引をして、調査にも自分の携帯電話をすべて預けるなど大きな貢献をした。その意図というのは、量刑ガイドラインを外れてさらに(量刑の年月を)下に行くことを狙ってやっていたが、これに関しては検察側、裁判所側もゼロ回答ということ。非常に厳しかった」と述べた。
今回、水原被告側と検察側の司法取引で、量刑については4年9カ月から5年11カ月の範囲なら、お互いに控訴しないことで合意していた。一方、弁護側は、禁錮1年6カ月への減刑を求めていたが、結果的に言い渡された量刑は、検察の求刑通りだった。
なぜこうした流れになったのかと問われた吉田氏は「今回の件は、非常に注目を受けるケースで、被害総額も大きく、社会的影響力も大きい」と述べ「何より、裁判官が(法廷で)あなたが書いた手紙は本当だったのかということで、水原氏が書いた『私の立場はこういうものだった』という手紙の内容が、裁判官からすると心証を悪くした可能性はあると思います」と語った。
水原被告は1月23日付で提出した書面で、自身の立場について「(大谷を)近くで支えるために高額な家賃を支払う必要があった」「過酷な労働環境にあった」などとして、生活の困窮からギャンブル依存症になったと主張。しかし連邦検察側は「証拠に基づいていない」と反論する書面を裁判所に提出するなど、異例の展開となっていた。