ちあきなおみの歌、次世代に デビュー50年記念アルバム「微吟」ヒット





歌手、ちあきなおみ

 活動休止中の歌手、ちあきなおみ(72)のデビュー50年を記念したアルバム「微吟(びぎん)」が、CDだけで出荷枚数が3万枚を超えるヒットになっている。「若い人も購入しているようだ」と発売元のテイチクエンタテインメントは分析する。

 「微吟」は、代表曲「喝采」(昭和47年)などを手がけた音楽プロデューサー、東元(ひがしもと)晃(84)が制作を監修。「喝采」「雨に濡れた慕情」など代表曲のほか珍しいライブ音源も収録している。

 東元によると「喝采」は、作詞家の吉田旺(おう)(78)と作曲家の中村泰士(たいじ)(80)と電話で意見を戦わせ、手直しを繰り返して完成させた。この名曲は、歌詞がちあきの実体験と重なる-などの伝説も残したが、東元は「僕らは、彼女の私生活など知らなかった」と振り返る。

 ちあきは、夫を亡くしたのを契機に平成4年、歌手活動を休止した。その後、東元が、ちあきの“代理人”のような立場で、「微吟」などの企画作品を世に送り出している。

 「彼女は、元気に過ごしているようだ」と東元は言う。「今の彼女ならどんな表現をするだろう。本当は、新録音も含んだ作品を作りたい」と、東元は本音を明かすが、ちあきが選んだ活動休止を邪魔するつもりはない。「もういいわよ」と本人から断られるまで、ちあきの歌の魅力を次の世代に伝える作品を作り続けるつもりだ。(石井健)



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