食後の血糖値に潜む危険!血管を守る食事で健康寿命を延ばそう

血管の健康は、健康寿命を延ばすための重要な鍵です。厚生労働省の発表によると、心疾患や脳血管疾患で年間30万人以上が亡くなっている現状を踏まえ、血管の老化を防ぎ、若々しく保つための食生活について、心臓カテーテル治療の専門医である梅津拓史氏の著書『血管専門医が教える新事実 科学的根拠で血流をよくする』を参考に、詳しく解説します。

血圧、血糖値、コレステロール値…血管にとって最も重要なのは?

健康診断でチェックする項目の中で、血管の健康を考える上で最も重要なのは「血糖値」です。特に注意すべきは「食後高血糖」。空腹時血糖値は正常でも、食後に血糖値が急上昇する状態は、血管に大きな負担をかけます。

見落としがちな「食後高血糖」の危険性

健康診断では空腹時血糖値を測定するため、食後高血糖を見逃してしまう可能性があります。空腹時血糖値が110mg/dL以下でも、食後2時間後の血糖値が140以上は「食後高血糖」、200以上は「隠れ糖尿病」と診断されます。

食後高血糖のチェック方法食後高血糖のチェック方法

ヨーロッパの研究では、空腹時血糖値が正常範囲内でも、食後高血糖の人は死亡リスクが1.5倍に上昇。隠れ糖尿病の場合は、なんと2倍にもなるという結果が出ています。つまり、空腹時血糖値だけでなく、食後の血糖値にも気を配ることが大切なのです。

なぜ食後高血糖は危険なのか?

食後、血糖値が上昇すると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌され、血糖値を下げる働きをします。しかし、肥満(特に内臓脂肪)、運動不足、遺伝、加齢、喫煙などの影響でインスリンの働きが弱まる「インスリン抵抗性」の状態になると、血糖値が下がりにくくなります。

インスリン抵抗性になると、血液中に糖や脂肪が過剰に存在し、血管の内壁を覆う「血管内皮細胞」の機能が低下。これが、動脈硬化の進行や様々な血管疾患のリスクを高める要因となります。 管理栄養士の佐藤恵美さん(仮名)は、「血糖値を急上昇させないためには、野菜から先に食べる、よく噛んでゆっくり食べるなど、食事の工夫も大切です」とアドバイスしています。

血糖値コントロールで健康な血管を維持しよう

食後高血糖を防ぎ、健康な血管を維持するためには、日々の食生活の見直しが必要です。血糖値が上がりにくい食材を選び、バランスの良い食事を心がけましょう。 食物繊維を豊富に含む野菜、海藻、きのこ類などを積極的に摂り入れることがおすすめです。白米よりも玄米、パンよりも全粒粉パンを選ぶなど、主食にも工夫を凝らしてみましょう。

毎日の食事に気を配り、血管を若々しく保つことで、健康寿命を延ばし、より充実した人生を送ることができます。

まとめ

この記事では、血管の健康における食後高血糖の危険性と、血糖値コントロールの重要性について解説しました。健康診断の結果だけに頼らず、日々の食生活を見直し、血管に優しい食事を心がけることで、健康寿命を延ばすことに繋がります。ぜひ、今日から実践してみてください。