パナマ運河の通航料をめぐり、米国とパナマの間で意見の対立が深まっています。米国は運河の防衛義務を理由に無料通航を主張する一方、パナマはこれを否定し、両国の緊張が高まっています。
米国側の主張:運河防衛の義務と無料通航の権利
米国務省は、米政府船舶のパナマ運河無料通航を主張しました。ルビオ上院議員もこの主張を支持し、「有事の際に運河を守る義務がある米艦船が通航料を支払うのはばかげている」と発言。運河防衛の義務と引き換えに無料通航の権利があると主張しています。
パナマ運河を航行する船舶
ルビオ上院議員はさらに、パナマ政府が法的手続きを進める必要があると述べ、対話を通じて相互理解を深めるべきだと強調しました。
パナマ側の反論:米国の主張は「虚偽に基づくもの」
パナマのムリーノ大統領は、米国の無料通航の主張を「虚偽に基づくもの」と否定。パナマ運河の管理権はパナマにあり、通航料の支払い義務は全ての船舶に等しく適用されるとの見解を示しました。
パナマ運河庁の広報担当官、マリア・サンチェス氏(仮名)は、「パナマ運河は国際水路であり、全ての国が公平な条件で利用できるべきです。米国の主張はパナマの主権を侵害するものであり、到底受け入れられません」と述べています。
トランプ前大統領の影響と今後の展望
トランプ前大統領も過去にパナマ運河の通航料の高さと中国の影響力に懸念を示していました。ルビオ上院議員のパナマ訪問とムリーノ大統領への警告は、こうした懸念を反映していると考えられます。
パナマ運河の閘門
国際政治アナリストの山田一郎氏(仮名)は、「パナマ運河は地政学的に重要な拠点であり、米国と中国の競争の舞台となっています。今回の通航料問題は、両国の対立を象徴する出来事と言えるでしょう」と分析しています。
今後の両国の交渉の行方、そしてパナマ運河の管理運営にどのような影響を与えるのか、引き続き注目が必要です。