パナマが中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」からの離脱を決定し、中国が猛反発しています。一体何が起きているのか、背景や今後の影響について詳しく解説します。
パナマの離脱と中国の反応
中国外務省は8日、趙志遠外務次官補がパナマの駐中国大使と会談し、一帯一路離脱の決定に厳重に抗議したと発表しました。趙氏は「深い遺憾」を表明し、パナマ側に「外部からの干渉を排除し、正しい決定を下すことを望む」と強く求めたとのことです。
中国国旗
中国はこれまで、一帯一路を通じてパナマとの経済協力を深化させ、大きな成果を上げてきたと主張。パナマの離脱は「パナマの利益に合致しない」と批判しています。
米国の影響力は?
中国は、米国が「圧力と脅迫」によってパナマと中国の関係を破壊し、一帯一路への参加を妨害していると非難しています。パナマ運河をめぐる中国の影響力排除を狙う米国の圧力が、パナマの離脱につながったという見方が有力です。
パナマのムリノ大統領は、米国のルビオ国務長官との会談後、一帯一路からの離脱を正式に決定しました。しかし、米国からの離脱要求については否定しています。
パナマ側の主張
中国外務省によると、パナマ側は「対中関係を重視している」との立場を示しているとのこと。パナマにとって、中国との経済関係は重要であり、難しい判断を迫られたことがうかがえます。
今後の影響は?
パナマの一帯一路離脱は、中国の巨大経済圏構想に一定の打撃を与える可能性があります。また、米中間の対立が深まる中で、中南米諸国がどちらにつくかの選択を迫られるケースが増える可能性も懸念されます。今後の動向に注目が集まります。
専門家の見解
国際政治学者の山田一郎氏(仮名)は、「パナマの一帯一路離脱は、米中対立の激化を象徴する出来事と言えるでしょう。パナマは、米国の圧力と中国との経済的利益の間で難しいバランスを取らざるを得ない状況に置かれています」と指摘しています。
今後の展開については、「パナマの決定は、他の国々の一帯一路への参加にも影響を与える可能性があります。中国は、一帯一路構想の推進にあたり、より慎重な外交戦略を展開する必要が出てくるでしょう」と分析しています。