懐かしいファミコン時代。数々の名作ソフトと共に、高価でなかなか手が出なかった周辺機器の数々。あの頃の憧れと、実際に使ってみた後の現実のギャップを振り返ってみましょう。子供時代の胸の高鳴りと共に、ちょっと切ない思い出が蘇ってくるかもしれません。
データレコーダー:高価だったのに…代用品で済んでしまった悲劇
ファミコンデータレコーダー
1984年、9800円という高額で発売された「データレコーダー」。ファミコン版プログラミングツール「ファミリーベーシック」で作成したゲームや音楽データを保存するために必要でした。カセットテープにデータを保存できる画期的な機能でしたが、実は録音機能付きのラジカセやテープレコーダーで代用できてしまうという落とし穴が…。当時、清水の舞台から飛び降りる覚悟で購入した人も、この事実を知って愕然としたのではないでしょうか。ゲーム情報誌「ファミ通」の創刊編集長、小島秀夫氏も「当時、ラジカセで代用していた」と語っています。
ジョイボール:連射機能への憧れと操作性のジレンマ
ジョイボールのパッケージ
1985年、シューティングゲームブームの中、HAL研究所から発売された「ジョイボール」。ボタンを押しっぱなしにするだけで連射できるという革新的なコントローラーでした。3980円という価格もさることながら、ボール状のスティックによる操作性の難しさも課題でした。ファミコン本体の軽いコントローラーに慣れた子供たちにとって、据え置き型のジョイボールは操作感が全く異なり、思うように動かせなかったという声も。中には、移動は本体コントローラー、攻撃はジョイボールの連射機能と使い分けていた人もいたようです。ゲームライターの山下章氏も「ジョイボールの操作性には苦労した」と当時を振り返っています。
ファミコン周辺機器:夢と現実の交差点
高価で憧れの的だったファミコン周辺機器。手に入れた時の喜びと、実際に使ってみた後の現実は必ずしも一致しないこともありました。しかし、これらの周辺機器は、当時の子供たちに夢と希望を与え、ゲームの可能性を広げる役割を果たしていたと言えるでしょう。今振り返ると、その思い出は少し切なく、そして温かいものかもしれません。