公務員は「安定」の代名詞。一度就職すれば安泰…そんなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。しかし、実はそうでもないようです。佐賀県で50代職員2名が「能力不足」を理由に免職処分となったニュースは、まさにその現実を突きつけるもの。今回は、公務員でもクビになるケース、その実態に迫ります。
なぜ公務員が免職に?佐賀県の事例
佐賀県で今回免職処分となった2名の職員は、業務指示に従わない、資料を紛失する、数日で終わる作業に3ヶ月かかるなど、深刻な能力不足が問題視されていました。県は半年間の能力向上支援プログラムを実施しましたが、改善が見られなかったため、異例の処分に踏み切りました。実は、同県における能力不足を理由とした免職処分は今回が初めて。それだけ深刻な事態だったと言えるでしょう。
公務員の免職基準とは?
企業法務に詳しい村松由紀子弁護士によると、公務員の免職基準は国家公務員法および地方公務員法で定められています。無断欠勤や遅刻・早退、職務命令違反、度重なるトラブルなど、公務の遂行に支障をきたす行為が該当します。
地方公務員の場合、運用は各自治体の指針に基づいて行われますが、基本的な判断基準は国家公務員と同様です。重要なのは、何度指導しても改善が見られない場合に処分が検討されるという点。つまり、一度のミスで即免職となるわけではなく、改善の余地がないと判断された場合に最終手段として処分が下されるのです。
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免職=懲罰ではない?その意外な側面
免職処分と聞くと、懲罰的なイメージを持つかもしれません。しかし、村松弁護士によると、公務員の免職は懲戒処分とは異なり、懲罰的な意味合いはないとのこと。公務の機能維持を目的としており、多くの場合、退職金も満額支給されます。
つまり、能力不足による免職は、個人の能力を否定するものではなく、組織としての円滑な運営を確保するための措置と言えるでしょう。
公務員を取り巻く環境の変化
今回の事例は、公務員を取り巻く環境の変化を象徴する出来事と言えるかもしれません。厳しい財政状況や国民からの厳しい目、そして成果主義の導入など、公務員を取り巻く環境は大きく変化しています。
このような状況下で、公務員にも高い能力と責任が求められるようになっているのは当然の流れと言えるでしょう。
まとめ:改めて考える「公務員の安定」
今回の佐賀県の事例は、公務員だからといって安泰ではないという現実を改めて突きつけました。公務員も民間企業と同様に、成果を出し、責任を果たすことが求められる時代。
「安定」という言葉の真の意味を、改めて考える必要があるのかもしれません。