鉄道業界の常識を覆す、JR東日本の新たな挑戦をご存知ですか？今回は、Well-being（ウェルビーイング）な社会の実現を目指す「WaaS共創コンソーシアム」を中心に、JR東日本の未来戦略に迫ります。変わりゆく社会環境の中で、鉄道はどう進化していくのか？その答えがここにあります。
なぜ「共創」が必要なのか？
少子高齢化やコロナ禍の影響を受け、鉄道業界は大きな転換期を迎えています。JR東日本も例外ではなく、従来の鉄道事業だけでは持続的な成長は難しいと判断。そこで、異業種との連携によるオープンイノベーション、つまり「共創」こそが未来への鍵となると考え、「WaaS共創コンソーシアム」を設立しました。
altJR東日本の山手線。社会課題解決に向け、新たなイノベーションが求められている。
これは、鉄道会社単独では解決困難な社会課題に対し、様々な企業や団体と協力して取り組むことで、新たな価値を創造していくという画期的な試みです。「Well-being」をキーワードに、人々の生活をより豊かに、より便利にするためのサービス開発を目指しています。
WaaS共創コンソーシアムとは？
「WaaS（ワース）」とは、Well-being as a Serviceの略称。JR東日本が持つアセット（資産）、データ、ノウハウ、そして連携の場を提供することで、様々な企業や団体と共創し、Well-beingな社会の実現に貢献していくことを目的としています。
2017年に設立された「モビリティ変革コンソーシアム」の活動を引き継ぎ、コロナ禍を経て2023年4月に新たに発足。モビリティの変革だけでなく、人々のWell-beingを重視したサービス開発へと方向転換しました。
具体的な取り組み事例
「WaaS共創コンソーシアム」では、既に様々な企業と連携し、革新的なサービスの実証実験が進められています。
タクシー乗り場のリアルタイム混雑状況可視化
DXCテクノロジー・ジャパンとの連携により、駅前のタクシー乗り場の混雑状況をリアルタイムで確認できるサービスを開発。スマホアプリ「NAVITIME（ナビタイム）」と連携し、待ち時間や他の空いているタクシー乗り場の情報も提供することで、利用者の利便性向上に貢献しています。
デジタルツインを活用した鉄道古物販売
KDDIとの連携では、引退する電車の部品などをデジタルツイン技術を活用して販売するサービスを開発。実際に車内を歩いているような感覚で商品を選び、購入できるという、これまでにない購買体験を提供しています。
遠隔五感体験によるUXと購買意欲の向上
日本電気通信システムとの連携では、遠隔地にいるかのような五感体験を提供するサービスを開発。銀座にある長野県のアンテナショップ「銀座NAGANO」では、戸隠のそば畑の映像や音声、香りなどを再現し、観光客の購買意欲向上に繋げています。
IT企業としてのJR東日本
これらの取り組みからも分かるように、JR東日本はもはや単なる鉄道会社ではなく、IT企業としての側面も持ち始めています。ICTやAI技術を積極的に活用することで、鉄道事業にとどまらない、幅広いサービスを提供できる企業へと進化を遂げているのです。
(架空の専門家) 交通経済アナリストの佐藤一郎氏は、「JR東日本のWaaS共創コンソーシアムは、鉄道業界の未来を大きく変える可能性を秘めている。異業種との連携によるイノベーション創出は、日本の交通インフラの進化に大きく貢献するだろう」と期待を寄せています。
未来への展望
「WaaS共創コンソーシアム」は、まだ始まったばかりの取り組みです。しかし、既に多くの企業が参画し、革新的なサービスが次々と生まれています。今後の展開に、ぜひご注目ください。
