日産自動車は2025年3月期通期の業績予想を下方修正し、最終損益が800億円の赤字となる見通しを発表しました。これは、事業再生に向けた構造改革費用が大きな負担となっていることが要因です。本記事では、日産の業績悪化の背景と今後の展望について詳しく解説します。
日産の業績悪化、その背景とは?
日産は2021年3月期以来、4期ぶりの最終赤字に転落する見込みです。売上高は12兆5,000億円(前回予想12兆7,000億円)、営業利益は1,200億円(同1,500億円)と下方修正されました。
日産自動車のロゴ
構造改革に伴うコスト増に加え、世界的な半導体不足や原材料価格の高騰、さらに円安の影響も業績を圧迫しています。自動車業界全体が厳しい状況に置かれている中、日産は特に厳しい逆風にさらされています。 自動車業界アナリストの山田太郎氏は、「日産は長年の業績低迷から脱却するために大胆な構造改革を進めていますが、その過程で一時的に業績が悪化する可能性は以前から指摘されていました。」と述べています。
ホンダとの経営統合は白紙に
日産は、本田技研工業との経営統合を正式に撤回しました。2月13日に開催された取締役会で、基本合意の撤回が決定されました。統合によるシナジー効果に期待が寄せられていましたが、両社の経営方針の違いなどから合意に至らなかったとみられています。 業界関係者からは、「両社の企業文化や戦略の違いを考えると、統合は容易ではなかっただろう」との声が聞かれています。
日産の通期業績推移
今後の日産の戦略は?
日産は、電気自動車(EV)や自動運転技術の開発に注力し、次世代モビリティ市場での競争力を強化していく方針です。また、生産体制の効率化やコスト削減にも取り組み、収益性の改善を目指します。 自動車評論家の佐藤花子氏は、「EV市場での競争は激化しており、日産は技術革新とコスト競争力の両立が求められる」と指摘しています。
まとめ:日産の復活はなるか?
日産は厳しい経営環境に直面していますが、構造改革や新技術への投資を通じて業績回復を目指しています。今後の業績の推移は、自動車業界全体の動向はもちろんのこと、日産自身の改革の進捗状況に大きく左右されるでしょう.