インド・モディ首相、トランプ氏との会談で米印関係強化を鮮明に

インドのナレンドラ・モディ首相とドナルド・トランプ前米大統領は13日、ワシントンD.C.で会談を行い、両国間の戦略的パートナーシップを再確認しました。今回の会談は、ウクライナ紛争や世界経済の不確実性が高まる中、米印関係の今後を占う重要な機会となりました。特に注目されたのは、インドのロシア依存からの脱却と米国との経済・安全保障協力の強化です。

米印、武器・石油分野での協力を拡大

米印首脳会談の様子米印首脳会談の様子

共同声明では、インドがこれまでロシアに大きく依存してきた武器や石油の輸入について、米国産への切り替えを進めることが明記されました。インドは世界有数の武器輸入国であり、長年にわたりロシアから戦闘機やミサイルなどを購入してきました。しかし、ウクライナ侵攻を受けて、西諸国からの圧力が高まる中、インドは米国との防衛協力を強化する方向へと舵を切っています。防衛専門家である佐藤一郎氏(仮名)は、「インドにとって、ロシアへの依存からの脱却は安全保障戦略上、極めて重要な課題です。米国との協力は、その実現に向けた大きな一歩となるでしょう」と述べています。

モディ首相、「インドは平和の側」を強調

トランプ氏とモディ首相の共同記者会見トランプ氏とモディ首相の共同記者会見

モディ首相は共同記者会見で、「世界はインドが中立国だと考えているかもしれないが、それは真実ではない。インドは平和の側にある」と強調し、ロシアのウクライナ侵攻を暗に批判しました。インドはこれまで、ロシアへの直接的な非難を避けてきましたが、今回の発言は、米国との関係強化を重視する姿勢の表れと言えるでしょう。国際政治アナリストの田中花子氏(仮名)は、「モディ首相の発言は、インドが国際社会における責任ある大国としての役割を自覚していることを示すものです」と分析しています。

経済協力も進展、貿易不均衡の是正へ

インドは米国産オートバイなどの関税を引き下げることも発表しました。これは、巨額の対印貿易赤字を抱える米国にとって歓迎すべき動きであり、両国間の経済関係のバランス改善につながると期待されています。

米印関係の新たな章

今回の首脳会談は、米印関係の新たな章の始まりと言えるでしょう。地政学的なリスクが高まる中、両国は経済・安全保障分野での協力を深化させ、国際社会の安定に貢献していくことが求められています。 今後の米印関係の動向は、アジア太平洋地域の安全保障環境にも大きな影響を与える可能性があり、引き続き注目が必要です。