ドイツで波紋を広げている、マイク・ペンス米副大統領によるドイツのための選択肢(AfD)支持表明について解説します。ペンス氏はミュンヘン安全保障会議での発言で、AfDを「適格な政治パートナー」と認め、ドイツの主要政党がAfDとの協力を拒否する「ファイアウォール」戦略に異議を唱えました。
ペンス氏の発言とドイツ政府の反応
ペンス副大統領は、ミュンヘン安全保障会議において「民主主義は国民の声が重要という原則に基づいている。ファイアウォールの余地はない」と発言し、AfDを政治パートナーとして認める姿勢を示しました。
マイク・ペンス米副大統領(2025年)
これに対し、ショルツ首相は「非常に異例」と批判、ピストリウス国防相も「米副大統領が欧州全体の民主主義を疑問視した」と強く反発しました。ドイツ政府報道官も外国からの選挙介入として批判しています。
AfDの躍進とドイツ政界の懸念
AfDは、2月23日に行われるドイツ総選挙に向けた世論調査で約20%の支持率を獲得しています。しかし、ナチスの過去を持つドイツでは極右政党の台頭を懸念する声が強く、主要政党はAfDとの連携を拒否する「ファイアウォール」戦略をとってきました。
「ファイアウォール」戦略とは?
「ファイアウォール」戦略とは、ドイツの主要政党が極右政党AfDとの連立や協力を一切拒否する合意のことです。AfDの影響力を抑え、極右思想の拡大を防ぐことを目的としています。
ペンス氏とAfD党首の会談
ペンス副大統領は、AfDのワイデル共同党首と会談を行いました。両氏はウクライナ戦争やドイツの国内政策、言論の自由などについて議論したと報じられています。
イーロン・マスク氏もAfD支持を表明
トランプ前大統領の側近であるイーロン・マスク氏もAfDへの支持を公言しており、ペンス氏の発言と合わせて、国際的な注目を集めています。
まとめ
ペンス米副大統領のAfD支持表明は、ドイツ政界に大きな波紋を広げています。AfDの躍進と、主要政党の「ファイアウォール」戦略の行方が注目されます。今後のドイツ政局、そして国際社会への影響についても引き続き注視していく必要があります。