【16Personalities診断の落とし穴】MBTIとの違い、信憑性、そして若者への影響とは?

インターネットで手軽にできる性格診断「16Personalities」が若者の間で流行しています。「INFP」などの4文字で表される診断結果は、SNSでも話題となり、まるで本当の自分のような気がしてしまいますよね。しかし、この16Personalities、実は私たちが「MBTI」と呼んでいるものとは全く違うものなのです。この診断の信憑性、そして若者への影響について、深く掘り下げてみましょう。

16PersonalitiesとMBTIの決定的な違い

16Personalitiesは、イギリスのNERIS Analytics Limited社が提供する無料の性格診断ツールです。手軽にできるのが魅力ですが、早稲田大学文学学術院教授の小塩真司氏によると、本来のMBTIとは全く異なるものとのこと。MBTIは、1940年代にアメリカで開発され、専門家とのセッションを通して自己分析を行うものです。数時間かけてじっくりと自分と向き合い、納得感を得られるのが特徴です。一方、16Personalitiesは、いくつかの質問に答えるだけで結果が出る手軽さの一方で、その根拠や理論は明確にされていません。

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16Personalitiesの信憑性

無料であるがゆえに、16Personalitiesの信憑性には疑問符が付きます。小塩氏も、その信憑性自体が不明だと指摘しています。遺伝子検査や出生前診断のように、人生に大きな影響を与える診断は、専門家の監修のもと、費用をかけて行われます。心理検査も同様で、本来は臨床心理士などの専門家の指導が必要です。16Personalitiesは日本語でのサポートもなく、診断結果に関するアフターフォローも期待できません。

若者への影響と注意点

16Personalitiesは、手軽にできるため若者の間で急速に広まっています。しかし、その結果を「本当の自分」と捉えすぎるのは危険です。あくまで参考程度にとどめ、自己理解を深めるためのツールとして活用することが大切です。また、企業の中には採用活動に16Personalitiesを取り入れるところもあるようですが、その妥当性には疑問が残ります。

保護者・教員が知っておくべきこと

10代~20代の若者が16Personalitiesに夢中になる一方で、保護者や教員もこの診断について理解しておく必要があります。安易に結果を信じ込み、自分の可能性を狭めてしまうことのないよう、適切な指導が必要です。本来のMBTIは18歳以上を対象としていることからも、16Personalitiesの結果を深刻に受け止めすぎるのは避けるべきでしょう。

まとめ:自分を知るためのツールとして賢く利用しよう

16Personalitiesは、手軽にできる性格診断として人気ですが、その信憑性や若者への影響については注意が必要です。MBTIとは異なるものであることを理解し、自己理解を深めるためのツールとして賢く利用しましょう。