不登校に悩む子どもを持つ親にとって、その道のりは長く険しいものです。ましてや、自身の健康問題も抱えているとしたら…。今回は、娘の不登校、高校受験、そして自身の乳がんという三重苦を乗り越えた圭子さん(仮名、52歳)の物語をご紹介します。彼女がどのように困難に立ち向かい、家族の絆を守り抜いたのか、その力強い生き様をご覧ください。
友達トラブルがきっかけで不登校に
圭子さんの娘さんが不登校になったのは小学5年生の時。きっかけはよくある友達トラブルでした。
「仲良し2人組の友達関係に、新しく入ってきた子が入り込み、関係が複雑になったようです。娘は担任の先生に相談しましたが、『気のせいだよ』と軽くあしらわれてしまい、先生への不信感から夏休み明けに不登校になりました。」と圭子さんは当時を振り返ります。
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感情の爆発と葛藤
不登校になった娘さんは、イライラすると癇癪を起こし、物を投げたり、圭子さんに暴力を振るうこともありました。「どう対応すればいいのか、本当に悩みました。叱るべきか、受け入れるべきか…正解が分からず、途方に暮れました。」と圭子さんは語ります。
お金の問題と娘の謝罪
娘さんの問題行動はエスカレートし、圭子さんの財布からお金を持ち出すこともありました。
「何度か1000円札が無くなることがあり、合計で3000円ほどになりました。娘の部屋に当時流行っていたアニメグッズが増えていたので、薄々感づいていました。直接叱るよりも、本人に気づいてほしかったので、『お金が足りない、支払いできない』と独り言のように呟いてみました。」
すると、娘さんは泣きながら手紙を書いてきて、「ごめんなさい、私が盗りました。働けるようになったら返すから許してください」と謝罪したそうです。その後、お金を持ち出すことは無くなりました。
高校受験と乳がん宣告
娘さんが高校受験を迎える頃、圭子さんは乳がんと診断されました。不登校、受験、そして自身の病気。まさに三重苦に直面した圭子さん。どのようにこの困難を乗り越えていったのでしょうか?
専門家のサポートと家族の絆
圭子さんは、不登校の専門家や医療関係者のサポートを受けながら、娘さんの受験と自身の治療に立ち向かいました。家族で支え合い、励まし合いながら、一歩ずつ前に進んでいったのです。
未来への希望
娘さんは無事に高校に進学し、圭子さんも治療を乗り越え、現在も経過観察中です。「あの時は本当に辛かったですが、家族の絆が深まりました。娘の成長を支えながら、私も自分らしく生きていきたいです。」と圭子さんは力強く語ります。 不登校は、子どもだけでなく、家族全体にとって大きな試練です。しかし、諦めずに、周りのサポートを受けながら、一歩ずつ進んでいくことで、必ず光が見えてきます。
まとめ
この記事では、不登校、受験、乳がんという三重苦を乗り越えた母親の軌跡をご紹介しました。困難な状況でも諦めずに前向きに進むことの大切さ、そして家族の支えの力強さを改めて感じていただければ幸いです。 皆さんのご家庭でも、何かお困りごとがあれば、専門家や周りの人に相談してみてください。一人で抱え込まず、助けを求めることは決して恥ずかしいことではありません。