参院選が公示され、新興右派政党・参政党への関心が高まっています。神谷宗幣代表は3日、東京・銀座での第一声で「日本人ファースト」を掲げました。この主張に対し、日本を訪れる外国人はどう感じているのか。現場の声からは、困惑や戸惑いが聞かれました。
参院選公示 参政党 神谷宗幣 代表 銀座での第一声 街頭演説
街頭演説の現場
第一声の演説場所に選ばれたのは、百貨店「銀座三越」前です。外国人観光客が買い物に訪れる店の入り口前に、参政党の支持者らが集結。三越の係員が警備にあたり、交通整理に追われる様子も見られました。
「日本人ファースト」の主張
神谷氏は演説の中で、日本が貧困化した背景にはグローバリズムがあるとの見解を示しました。「外国人の資本が入ってきて土地や企業の株が買われている」状況や、「安い労働力だからといって野放図に外国人を入れていたら日本人の賃金は上がらない」といった点を問題提起しました。これらの主張を通じて、「日本人ファースト」の重要性を訴えました。
訪日外国人の反応
アルゼンチン人男性の声
教育関係の仕事で1カ月間日本に滞在しているというアルゼンチン人の男性(38)は、「世界的な右翼的思想が、日本にも来たということだろう」と受け止めを語りました。「彼らが言っている主張は理解はできるが、個人的には好きではない」と困惑した様子を見せました。一方で、「日本の民主主義が軍国主義のようにならないことを信じたい。武士道などの日本文化や日本食は好きだ」と日本の側面に魅力を感じていることを付け加えました。
アメリカ人女性の声
米国人女性は、参政党の政策について詳しく知らないと前置きした上で、神谷氏の主張に対して「世界はグローバリズムの時代にあるのに」と、戸惑いの表情を浮かべました。
中国人男性の声
家族旅行中の中国人の40代男性は、「日本は美しい。娘たちが『鬼滅の刃』のアニメが好きだから、日本に来た」と訪日の理由を説明しました。参政党が「日本人ファースト」を掲げることについては、「問題ないと思う。どこの国も自分たちの家族、国民が大事だ」と理解を示し、「特に怖さは感じない」と述べました。
データに見る訪日外国人
観光庁のデータによると、2024年の訪日外国人数は約3687万人、外国人による消費額は8兆1257億円に達しました。いずれも過去最高を更新しています。
結論
参政党が「日本人ファースト」を掲げ訴えるグローバリズム批判や外国人政策に対し、実際に日本を訪れている外国人からは様々な受け止め方が示されました。困惑や戸惑いがある一方で、自国民を優先する姿勢に理解を示す声もありました。国内外の注目が集まる中、参院選での参政党の動向とその主張への反応は、今後の論点となりそうです。
観光庁