国指定史跡で「日本百名城」にも選ばれている箕輪城跡(群馬県高崎市箕郷町)。全国的な城ブームの中、高崎市は箕輪城跡を中心とした同町箕輪地区の散策ガイドを初めて作成、来秋には地区内に「もてなし拠点」も整備するなど観光活性化に力を入れ始めた。3年前の城門整備を機に県外からのファンも増えており、さらに拡大させる。
箕輪城は戦国期の16世紀初頭、地域を支配した長野氏が築城した。「猛将」とうたわれた業正が、侵略を繰り返す甲斐の武田信玄に対抗した居城としても知られる。支配者は武田、織田、徳川と移り、家康配下の井伊直政が入城し近代城郭に改造されたが、高崎城への移封に伴い、築城から80年余りで廃城となった。
河岸段丘に曲輪を配した平山城で、東西500メートル、南北1100メートルと広大な城地には遺構として石垣や土塁、空堀などが残る。平成28年11月には城門「郭馬出西虎口門(かくうまだしにしこぐちもん)」が整備され、県外から訪れるファンや観光客も増えつつあるという。
市がまとめた散策ガイド「箕輪城周辺まちあるきガイド『箕輪城てくてくマップ』」は、そんな人向けに箕輪城の歴史や構造などの説明のほか、井伊直政が天正18(1590)年に創建した龍門寺や城下町として栄えた矢原宿など地区に点在する名所・旧跡、さらにカフェなどの位置も表示。効率的に巡る散策ルートも明記した。